レンジを下放れドルの下落余地拡大(週報4月第三週)

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。11日に強固なサポートとして君臨していた110円レベルを割り込むと、週末にかけては108円半ばまでドル安が進行、

レンジを下放れドルの下落余地拡大(週報4月第三週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。11日に強固なサポートとして君臨していた110円レベルを割り込むと、週末にかけては108円半ばまでドル安が進行、そのまま戻りらしい戻りはなく1週間を通したドルの安値圏で越週している。

週明け10日は111円前後で寄り付き、同日の東京時間に111円半ばの週間ドル高値を記録するも買いは続かず。その後は、米金利が低下するなか、米株なども冴えずドルの弱材料に。また、北朝鮮を中心とした地政学リスクの高まりを嫌気し、リスク回避のドル売り・円買いが徐々に優勢となった。
11日の欧米時間に、それまでサポートとしてドルの下値を支えていた110円レベルを割り込むと、なし崩し的なドル安が加速。結局、割り込んだあとは一度も110円を回復することはなく、むしろ週末にかけてはさらにドル安が進行する展開で、108円半ばまで値を下げる局面も観測されている。

なお、1週間を通してニュースや材料も色々とあったが、そのなかでも注目を集めていたものは大きく2つ。ひとつは、北朝鮮ファクターで、11日に最高人民会議(国会に相当)、15日の北朝鮮・金日成元国家主席の生誕105周年などの大きなイベントをにらみつつ、各国要人の発言や行動などがマーケットの波乱要因となっていた。
そして、もうひとつは、トランプ米大統領が12日に発した「ドル高けん制発言」だ。こちらも週間を通してドルが冴えなかった大きな主因のひとつとなっていた感を否めない。

<< 今週の見通し >>

前週割り込めそうで割り込めなかった110円の壁を、先週ついに下回ってきた。しかも、材料的にみてドル売り・円買いが有利である、と言えるような状況でもある。ポジションの偏りこそ気掛かりだが、引き続きリスクは下方向にバイアスで、さらなる下値を探る可能性が高そうだ。

テクニカルには、ドルの下値攻めに対して、「時間切れ」を指摘する声も聞かれるなかの110円割れで、「延長戦」に入った感がある。興味深いのは、移動平均の200日線が位置したほか、昨年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅の半値押し(50.0%押し)などにもあたる重要なドルの下値メド108.60-70円を、週末のNYクローズでも下回ってきた感があることだ。割り込んだと言っても、微妙なレベルであるため、断定にはまだ早いものの、ドルの下値余地が広がった感は否めず、前述した昨年ドル安値を起点としたフィボナッチの観点では、次のターゲットは61.8%押しの106.30円レベルとなる。一本調子にそのレベルまで到達するとも思われないものの、ドルの続落には要注意。

一方、材料的には、引き続き北朝鮮を中心とした地政学リスクの高まりが最大の懸念要因か。先週末16日にも北朝鮮は弾道ミサイルを発射した(結果は失敗)だけでなく、今後も米国などを威嚇する姿勢を続ける公算が大きいとみられている。緊張感が今後高まるようだと、地理的にも日本は無関係と言えそうになく、為替市場の変動もさることながら、実際に影響を受ける被害などにも警戒を要しておきたい。
また、それとは別にもうひとつの注目要因は、ペンス米副大統領が来日して行われる18日の「日米経済対話」ならびに20日に予定されている「G20財務相・中銀総裁会議」になる。先週12日にトランプ米大統領がドル高けん制発言を行ったこともあり、貿易不均衡問題と絡めて、米国が日本などに対して為替圧力を強めるといった警戒感を抱く向きも少なくない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、106.50-110.20円。ドル高・円安については、先週割り込んで以来、逆に抵抗となっている110円レベルで上値は重く、今週も同レベルは強い抵抗か。抜けても50ポイント刻みで弱い抵抗が存在し、上値を抑制しそう。
対するドル安・円安方向は、移動平均の52週線が位置する108.30-35円が目先のサポートだが、1週間ということでは、昨年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しに当たる106.30円までの下落も考えておきたいところだろう。(了)

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