<<東京市場の動き>>
13日の東京市場は、一時ドル安・円高が進行するも「行って来い」。108.70-75円の安値をつけて年初来のドル安値を更新したあとは、ドルが再び買い進まれると、寄り付きレベルまで戻している。
109円前後で寄り付いたのち、ドルはじり安。昼前には108.70-75円まで小緩む展開をみせた。前日の流れを継いだ米長期金利の低下に加え、日経平均株価が続落スタートを切ったことが嫌気されたうえ、北朝鮮をめぐり米分析サイトの38ノースが「核実験場を準備しているようだ」、米国営ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカが「現地時間15日午前にも実験を行う可能性がある」と報じたことが地政学リスクを喚起し、円買いに繋がっていたという。
しかし、ドルは安値を示現後じりじりと戻す展開となり、109円台を回復すると、日中高値の109.20円台まで上伸。株安傾向には変わらないが、日経平均が下げ幅を縮小させたことなども、ドルのショートカバーを誘発していたようだ。結局、16時時点では109.20-25円と、日中のドル高値圏で欧米時間を迎えている。
<<欧米市場の見通し >>
前日に強固なサポートである110円を割り込んだことに続き、本日は109円割れを達成。ドルの下値余地はさらに拡大した感を否めない。多少長いスパンで考えた場合のリスクは明らかに下方向で、さらなる安値トライの可能性も否定出来ないだろう。
テクニカルに見た場合もドルの下落が警戒されるが、本日の東京時間に記録した安値は重要なテクニカルポイントにあたることはやや気掛かり。具体的には、昨日もレポートしたように108.60-70円レベルは移動平均の200日線が位置しているうえ、昨年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅の半値押し(50.0%押し)などにもあたっており、そんな強いサポートでピタリとドルは下げ止まっている。
いずれにしても、ドルの下値達成感がうかがえる、とまでは言わないものの、短期的にはかなりいいレベルまで下げたのかも知れず、短期的にはドルの調整高にも警戒を要したい。
一方、材料的に注視されているのは、週間ベースの米雇用データである新規失業保険申請件数や、4月のミシガン大消費者信頼感指数などだが、それらはよほどの数字にならない限り、具体的な影響は限られそう。
それよりも、引き続き北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢、フランス大統領選をにらんだ欧州を中心とした政治リスクなどに対する関心が高く、それらに絡むニュースや発言などは注意が必要だろう。また、米株や原油などほかの金融市場の動きも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-110.00円。ドル高・円安方向については、昨日欧米時間高値の109.80円レベル、あるいは110円が抵抗として意識されそう。仮に上抜けても、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円安方向は、先にも書いたように本日東京時間の安値をめぐる攻防が注視される。下回ると、移動平均の52週線が位置する108.30-35円や、107円半ばなどがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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