<<東京市場の動き>>
12日の東京市場は、40ポイント程度とレンジそのものは狭いが、荒れ模様。仲値決定(10時)を前後して、ドルが一時急落する局面なども観測されていた。
109.60円レベルで寄り付くも、前日のNY時間にドルが大きく値を下げた流れの反動もあり、ドルの調整的な買い戻しが優勢となった。日中高値である109.75円まで値を上げている。しかし、買いは続かず、仲値決定前後にドルは突如急落。目立ったニュースがないなか、109.35円レベルまで一気に値を下げた。なお、参加者のあいだでは、外貨売り手当てやドル買い手当ての剥落などの需給要因が、ドル急落の背景として指摘されている。
その後は、ドルが再びじりじりと買い進まれる展開。終盤にかけては109.65円レベルまで値を戻すと、16時時点では109.60-65円のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、日銀総裁から「さらに円安になれば物価目標達成がより早くなる可能性」との発言が聞かれたほか、中国物価指標の発表などがあったものの、ドル/円相場への影響は限定的だった。
<<欧米市場の見通し >>
先月22日以降、3週間以上も続いてきた110-112円というボックス圏を、昨日ついに逸脱している。少なく見積もっても3-4度トライして割り込めなかった110円の壁を割り込み、本日の東京時間には109.35円レベルと、昨年11月17日以来の安値圏までドル安が進行した。リスクは間違いなくドル安・円高方向にバイアスで、ポジションの偏りこそあるものの、ドルの続落に注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、110円を割り込んできたことで、ドルの上値については同レベルが逆に抵抗となる可能性が取り沙汰されている。また、抜けても110.40-45円に位置する移動平均の5日線などがドルの上値を阻みそうだ。
それに対し、下値は108.60-70円レベルがかなり重要なサポートに。これは、同レベルに移動平均の200日線が位置しているうえ、昨年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅の半値押し(50.0%押し)などにあたるため。また、その少し下のレベル108.30-35円には移動平均の52週線が位置しているなど、108円台はかなり底堅いイメージも。
一方、このあとも材料は幾つかあるが、さほど注目されているものはなく、相場へのインパクトという意味では限られそうだ。
ただ、マーケットは北朝鮮やシリアをめぐる緊張と、フランス大統領選をにらんだ政治リスクに対する関心が高く、それらに絡むニュースや発言などは要注意。そうした意味では、シリア情勢と絡め、ワシントンで行われるNATO事務総長とトランプ米大統領との会談などは意外に要注意であるのかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.40円。ドル高・円安方向については、昨日割り込んできた110円がまずは抵抗で、抜けると移動平均の5日線(110.40-45円)がターゲットに。
対するドル安・円安方向は、本日の東京時間に記録した109.35円レベルが一応の下値メド。しかし、それ以外は大きなフシがなく、下回るようだと108円台突入も否定できなくなるだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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