<<東京市場の動き>>
29日の東京市場は、111円台前半での強保ち合い。111.10円レベルで寄り付いたのち、30ポイントほどと狭いレンジ内で一進一退に終始した。明確な方向性は乏しかったが、一度も111円を割ることはなく、底堅さもうかがわせている。
前日の欧米時間にドルが急反発、111円台を回復した流れを継ぎ、111.10円レベルで寄り付いた。しかし、全体的に動意は乏しく、ドルの上値は限られた。111.30円レベルで上げ止まると、その後は111円台前半において揉み合いに。3月期末間近ということで、実需筋や資本筋は積極的な売買を手控えており、動意も限られた。結局、16時時点では111.15-20円レベルで推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか、「東芝は取締役会でウエスチングハウスの破産法申請を事前承認した」との報道が聞かれたものの、為替市場はもちろん株式市場の反応も限定的だった。
その一方、動意の乏しいドル/円を尻目に、ポンドは早朝を中心に荒れ模様。対円では短時間に一時1円近い下げを記録している。
29日に英政権がEU離脱通告を行うことや、スコットランド議会が独立の是非を問う2回目の住民投票実施を決めたこと、などが材料視されていたという。
<<欧米市場の見通し >>
依然としてドル/円の大きなトレンドは、ドル安・円高にバイアスがかかるものの、下値攻めも一旦出直しの様相だ。ただ、ドルはさらなる戻りが期待できるのかというと、それにも疑問の残る点がある。先で指摘したように、目先のマーケットの関心が英国情勢に高いこともあわせると、欧米時間も積極的な動意は見送られがちで、111円台を中心としたボックス相場が続く可能性が高いのかもしれない。
テクニカルには、前日惜しくも届かなった週明けに記録した上方向の「ギャップ(窓)=111.00-111.30円レベル」を、本日の東京時間にしっかりと埋めてきた。
しかし、それを持ち、さらにドルの上値余地が広がったとみるのは早計だろう。前日と同じ111.80-85円で横這いに推移する一目均衡表の転換線が抵抗として意識されそうで、ドルの上値を抑制しそうだ。引き続きドルの上値は重い展開が予想されている。
一方、材料的には本日も、これまで同様発表される米経済指標そして、米通貨当局者による講演などに要注意。また、米財務省による7年債入札や2年変動利付債入札なども、米金利の動きとあわせて一応注視しておきたい。
ただ、マーケットを取り巻く状況をみると、本日の欧米時間はドルや円ではなく、ポンドが相場の主役となりそう。ポンドの動きに連れる格好でドル/円などが動意づくことまでは否定できないものの、材料面からも単体ではやや動きにくいイメージだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-112.00円。ドル高・円安方向については、週初に空けたギャップを埋めたものの、先週末など短期的に2-3度ドルの戻りを阻んだ111円半ばをめぐる攻防が注視されている。抜けても111.80円レベル、112円前後など抵抗は多い。
対するドル安・円安方向は、本日の東京で割り込めなかった111円レベルが最初のサポートに。基本的にドルは底堅いイメージなのだが、崩れだすと下げは早いため、110円前後など思わぬレベルまでの下げにも一応の注意を払いたい。(了)
オーダー/ポジション状況
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