東京市場の動き
24日の東京市場は、ドル高・円安。寄り付いた110円台から上昇し111円台を回復、その後も高値をキープし、欧米時間を迎えている。
東京は前日にドルが弱含みとなった流れを継ぎ、110.90円レベルと日中の最安値圏で寄り付いたあと、緩やかな右肩上がり。111円を超え、111.40円レベルまで値を上げた。カプラン・ダラス連銀総裁から「3回の米利上げの中央予想は合理的ベースライン」との発言が聞かれたうえ、1日順延された米ヘルスケア法案について、メドウズ共和党議員が「法案は改善された、反対だが最終決断せず」とコメントしたことも、米政治懸念を軽減させ、ドルの買い安心感を誘っていたようだ。
その後は、一度揉み合いとなったが、夕方になりドルは再びじり高推移、111.50円レベルまで値を上げる局面も観測されている。日経平均株価が一時200円を超す上げ幅を記録したことに加え、黒田日銀総裁から「現時点において金融緩和度合いを緩める理由はない」との発言が聞かれたことも円売りに寄与していたという。16時時点では111.35円レベルと、日中高値からやや軟化した水準での推移となっている。
欧米市場の見通し
ドル/円の基本的なリスクは下向き。テクニカルにおいても、ドル売りのシグナルを示すものが少なくない。ただ、ポジション的にはさすがにドルロングも解消したばかりか、逆に短期的にはドルショートに傾斜した感がうかがえるだけに、本日もドル買い戻しには注意が必要だろう。
テクニカルには、一目均衡表において、いわゆる「三役売り」のシグナルが点灯するなどドルの基調はますます悪化しているものの、底堅さを指摘する声も聞かれ始めた。実際のチャートをみると、22日の東京時間夕方以降は、110.60-111.60円といった1円程度、やや広めのボックス圏を形成している感がうかがえる。本日も、前述のボックス圏を中心としたレンジ取引となるのか、はたまた再びドル売りなどが優勢となるのか、動静に注意を払いたい。
なお、いわゆるザラ場の動きも要注意だが、本日は週末ということで、NYのクローズレベルも注視されている。週足・一目均衡表の雲の上限が111.20円レベルに位置していることで、同水準を維持できるかどうかが、来週の相場を見極めるひとつの材料となりそうだ。
一方、本日、材料的に注視されているのは、これまで同様発表される米経済指標ならびに、米地区連銀総裁による講演などになる。また、議会内の調整がつかず1日先送りされた「オバマケア改廃法案修正案の下院議会での採決」も一応要注意。東京時間には、楽観的な見方が台頭しドル買いを後押ししていた面もあるだけに、「ハシゴ」を外されるようだと一気に失望売りがかさむ可能性も否定できない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-112.00円。ドル高・円安方向については、前述したように時間足ベースなどで抵抗となっている111.50-60円の攻防にまずは注目。抜ければ112円レベルなどを目指す展開か。
対するドル安・円安方向は、やはり時間足ベースで2-3度下げ止まっている110.60-70円レベルが最初のサポート。底堅いイメージもないではないが、割りこむようだと、心理面で重要な110円が名実ともにターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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