東京市場の動き
16日の東京市場は、やや円高。しかし、値幅は40ポイント程度とさほど大きくなく、また113円レベルを何度かトライしたものの結局抜け切れず、底堅いイメージも残したまま欧米時間を迎えている。
前日、FOMC後に進行したドル安・円高の流れを受けて、東京市場は113.40円前後で寄り付いた。その後はマイナス圏で寄り付いた日経平均株価がプラス圏に転じたことなどを材料に113.50円台まで値を上げるも、買いは続かず。途中で息切れすると、その後は113円台前半を中心とした揉み合いをたどるなか、全般的にはやや冴えない値動きとなった。一時113.15円レベルまで軟落したのち、16時時点では若干戻しての113.25円レベルでの推移となっている。
そうしたなか、材料としては、前日のNY市場終盤に第一報が伝えられたオランダ総選挙については、極右政党の自由党が勝利を収めるものの第一党にはならない見通しと報じられたほか、日銀は決定会合で金融政策の据え置きを決定、それに関連し黒田日銀総裁から「海外の金利が上がったから、国内金利を上げる必要あるとは考えない」などとした発言が聞かれたものの、相場への影響は限定的なものに留まった。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間は、予断を許さないものの、明日の材料をにらみ米金利や株価動向などに一喜一憂しつつも、基本的にはレンジ内での変動が予想されている。
昨日、米FOMCとイエレンFRB議長の講演という重要イベントを消化したが、今週は重要材料が多く、このあとで言えば17-18日に実施されるG20財務相・中銀総裁会議と、それと絡めた日米など2国間の財務相会談を警戒する声は少なくない。
ちなみに、本日付けの産経新聞が報じたインタビューにおいて、山崎前財務官は「日米財務相会談で為替は大きな問題にならない」と楽観的な見通しを示していた。とは言え、トランプ米大統領が通商代表部代表に指名したライトハイザー氏が、承認に向けた先日の上院財政委員会公聴会で「米国の農産物輸出を増やす市場として、日本は第一のターゲットになる」と語ったとされるなど、日本に対する風当たりは強い。警戒感を持ち続けて損はないのかもしない。
一方、本日の欧米時間には、2月の住宅着工件数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、トランプ氏が予算概要を議会提出が予定されており、一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-114.00円。一抹の期待を抱いていた「15日のNYクローズで115円台を維持」どころか113円台前半と予想以上の深押しを受け、ドルの下値不安も囁かれ始めるなど、レンジは切り下がり気味だろう。
ドル高・円安方向については、113円半ばに位置する一目均衡表の基準線、114円前後の同先行帯の雲の下限などが抵抗に。対するドル安・円安方向は、2月28日安値111.69円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻し113.15円が次のサポートか。割り込むようだと112円台突入が予想され、76.4%押しの112.60円レベルがターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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