ハト派の議長のタカ派な議会証言(2017年2月15日)

イエレン議長は昨夜の上院での議会証言で、今後の早期の米利上げを示唆したため、

ハト派の議長のタカ派な議会証言(2017年2月15日)

ドル円:2月15日のファンダメンタル分析

テーマ:元来ハト派のイエレン議長の、タカ派な議会証言。

イエレン議長は昨夜の上院での議会証言で、今後の早期の米利上げを示唆したため、市場では今まであまり織り込んでいなかった3月FOMCでの利上げ観測が強まり、米10年債利回りは一時2.5%台まで上昇、ドル円は前日安値の113.24から、前日高値の114.50まで急上昇しました。

議会証言の原稿によれば
1. 経済見通しは穏やかな拡大、2%のインフレ率への加速を予想
2. 今後のFOMC会合では雇用とインフレ率を評価しつつ、次回3月も含めいつでも利上げに動く
3. トランプ財政、海外動向が、不透明性が経済の見通しに相当影響
4. 今、緩和の解除を待ちすぎる事はリスクである
等の内容で
ポイントは2つ

1. 今後のFOMCで利上げを決定してゆく必要あると強調、つまり次の一手は利下げではなく利上げであり、
そのタイミングは3月のFOMCも含め近い
2.トランプ大統領の経済政策・財政政策が、相当な不透明性を経済見通しに及ぼす
です。

この証言を受け、CMEのFedウオッチは、現時点での織り込みが以下の様に各上昇、
3月のFOMCでの利上げ予想は17.7%へ上昇、前日は13.3%でした
5月までの利上げは40.6%へ上昇、前日は35.5%でした
6月までの利上げは68.0%へ上昇、前日は65.4%でした
7月までの利上げは74.4%へ上昇、前日は72.2%でした
95月までの利上げは84.1%へ上昇、前日は79.8%でした
11月までの利上げは86.4%へ上昇、前日は82.2%でした
12月までの利上げは95.5%へ上昇、前日は93.2%でした

イエレン議長の早期利上げへ意欲を見せた昨日の証言は、
3日の1月分米雇用統計が弱めであった事から、一時利上げ期待が後退していた市場にはサプライズで、
米債、ドル相場は大きく上昇ですが、NY株は困惑のやや高で様子見。
ただ、イエレン議長のFRBが本年度利上げをするであろうとの見方は、今まで公表済のドットチャートは
2017年度は0,25%幅なら3回、2018年度までには同幅なら5回の上昇を指しハッキリしていた事なので、この後も急上昇というよりは一般教書演説、予算教書までは高値圏で推移と見ます。

というのは、イエレン議長自身が述べている様に、トランプ大統領の財政政策・減税政策の全容、規模・時期・内容が相当な影響を及ぼすので、それらが現実に発表されて精査した後でないと動けないとみるべきです。
米雇用、物価指数が崩れない、NY株が崩れないでいる内はとの前提条件がありますが。

ドル円:2月15日のテクニカル分析

ポイント:基準線からの上昇。

昨日のイエレン議長の上院での議会証言で、早期の米利上げの強調発言から、今まで市場では織り込んでいなかった3月FOMCでの利上げ期待が強まり、114.50まで一気に上昇。
米利上げは想定済みなので、昨日の上昇はあくまで織り込んでいなかった3月利上げを織り込んだ分と思われ、
今日も明日も1円以上づつ上昇すると期待するのは難しいです。
地合いは上向きですが、高値横ばいで、今後の一般教書演説、予算教書を待つ展開でしょう。
市場もイエレン議長もトランプ大統領の具体的な財政政策・減税政策を待っています。
口先だけでの前のめりでの買いはここまでと見ます。

テクニカルには、とはいえとても強いです
日足の一目均衡表の転換線112.89を回復した後、すぐ上値に位置する、やはり下降中の日足の一目均衡表の基準線114.57を上抜いてゆけるか。抜ければ先行スパン1の116.31の上抜けも視野に入り、そこまで上昇してゆけば新しい上昇トレンドに入るとみていたからです。
上値・上昇を基準線で抑えられてしまうと転換線にひかれる格好で、再度の111.50水準の下抜けを試す展開となってしまします。
転換線は昨日114.57でしたが、本日は114.24まで下がるとみられ、NY引けに注目です。

上値方向を目指すには
1. 本日114.24まで下げてくる基準線の、NY引けでの回復が必要です。
2. この基準線114.24を超えてくれば、高値更新の可能性が見えてきます。
本日112.78まで低下の転換線を下回る場合は、一段の安値模索の動きにあるとの判断に変わりはありません。

本日の下値目途は、
1.昨年11月の101.20から118.60までの上昇の50%下押しに当たる109.94を試すには、昨日安値の113.24を下抜けてゆく必要があります。
2.その下は年初来安値の111.57。

これまで述べてきた通り、今年は年間で見るとレンジであるとする見方にも変わりはありません。
7日年初来安値を111.57まで下押ししましたが、年初来高値の118.60との間を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。
つまり上昇しても118〜120が今年の限界とみています。

今日のレンジは、113.50~115.00と見ます。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る