一時152円台前半まで上昇するなど堅調な値動き。本日は米CPIに注目
〇ドル円、米国時間午後にかけ152.19まで上昇、152円前後での推移
〇日銀による追加利上げ時期の後ずれ観測、CPI発表前のポジション調整、米金利上昇等がサポート
〇ユーロドル、ウクライナをめぐる地政学リスク長期化懸念、独仏政局不安等に一時1.0499まで下落
〇ドル円、複数のレジスタンスポイント垂れ下がり、日銀年内利上げ観測も残る等上値余地は限定的か
〇ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.00ー153.00
海外時間のレビュー
10日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間午後にかけて、安値150.90まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)中国政府による景気対策期待の高まり(金融緩和+財政出動の組み合わせ発表でリスク選好の円売り再開)や、(2)日銀による追加利上げ時期の後ずれ観測(氷見野良三日銀副総裁の講演会が1/14に決定したことで日銀の追加利上げが12月ではなく1月に後ずれするとの思惑浮上)、(3)重要イベント(米11月消費者物価指数)を翌日に控えたポジション調整、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(5)心理的節目152.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値152.19まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/11午前2時00分現在)では、152.05前後で推移しております。
10日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0568まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、(2)フランス・ドイツを巡る政局不透明感、(3)欧州経済の先行き不安(12/9に発表されたユーロ圏12月投資家センチメント指数は2023年11月以来の低水準)、(4)ECB理事会を控えたポジション調整(今週木曜日に開催されるECB理事会で50bpの大幅利下げが実施されるとの思惑浮上)、(5)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0499まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/11午前2時00分現在)では、1.0510前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は12/3に記録した約2カ月ぶり安値148.64をボトムに切り返すと、昨日は一時152.19まで急伸しました。(A)日銀による年内利上げ観測の後退(氷見野良三副総裁の講演が来年1/14に決まったことで、追加利上げのタイミングも年内12月ではなく来年1月にずれ込むとの思惑浮上)や、(B)中国政府による景気対策期待の高まり(中国政府が12/9に金融緩和政策への転換と積極的な財政出動を発表)、
(C)重要イベント(米11月消費者物価指数)を控えたポジション調整が重なったことが、ドル円反発の背景と考えられます。但し(1)複数のレジスタンスポイントが上方より垂れ下がってきていることや、(2)日銀による年内利上げ観測が残存していること(ハト派で知られる中村豊明審議委員が先週「利上げに反対しているわけではない」と発言した他、今週発表された本邦7ー9月期実質GDPも力強い結果)、(3)来週12/18に予定されている次回FOMCでの追加利下げの織り込み度合が足元88.0%まで急上昇していること、(4)トランプ・トレード(米国債売り・米ドル買い)からベッセント・トレード(米国債買い・米ドル売り)へのテーマシフトが警戒されていること等を踏まえると、ここからどんどんドル円が買われていくシナリオも想定しづらく、上値余地は限定的と判断できます。
本日予定されている米11月消費者物価指数が市場予想を下回る場合には、米利下げ観測再燃→米金利低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:151.00ー153.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.12
東京市場のドルは152円台半ばまで値を戻す、日銀利上げ観測後退で円安推移か(24/12/12)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本銀行による12月の金融政策決定会合での利上げ観測が後退したことからドルは152円台半ばまで値を戻した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.12.12
ドル円 ドルの上値展望拡大か、米指標に本日も注目(12/12夕)
東京市場は行って来い。一時ドル安が進行するも、元のレベルへと持ち直している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.12
ドル円152円台前半、151円台は買い支えられ底堅い動き (12/12午前)
12日午前の東京市場でドル円は下落後に小幅反発。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.11
ドル円見通し 米長期債利回り連騰で11日未明に152円到達、今夜の米CPI待ち(24/12/11)
ドル円は、米長期債利回りの連騰を見て11日未明には152.17円へ高値を伸ばし、11日午前序盤を152円弱の水準に付けている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.10
東京市場のドルは151円水準でのもみ合い、CPI待ちで小動き推移の展開か(24/12/10)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った売買材料に欠ける展開となったことから151円前後でのもみ合いとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。