日米金融政策めぐり右往左往、値動き荒い
〇本日のドル円、揉み合いの後149.70レベルまで値を下げ、ドル安値圏で欧米市場迎える
〇中村日銀審議委員、利上げに慎重な姿勢示す
〇明日に米雇用統計を控え、レンジ相場をたどる可能性も
〇本日は米11月チャレンジャーレイオフ、新規失業保険申請件数等に注目
〇ドル高・円安方向12/2と本日高値150.75-80が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、一目の雲の上限が位置する149.60前後をめぐる攻防にまずは注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.10-150.70
<< 東京市場の動き >>
東京市場は弱含み。前日NYでは再び151円台までドル高が進行していたが続かず、149円台まで押し戻されている。
ドル/円は150.60円前後で寄り付いたのち、当初は揉み合いながらも底堅さを醸す。しかし底割れすると、そのまま150円割れ。日中安値の149.70円レベルまで値を下げた。不安定な韓国政治情勢に加え、講演を行った中村日銀審議委員の発言が取り沙汰されていたようだ。16時現在では、そのままドル安値圏の149.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「韓国情勢」と「日米金融政策」について。
前者は、3日に尹大統領が緊急の「戒厳令」を宣言。これそのものは2時間半ほどで解除されたが、韓国における政治的な混乱は5日になっても依然として続いている。戒厳令をめぐり、「韓国検察当局が大統領と内相、前国防相を捜査」との報道が観測されるなか、市場では明6日に実施されると見られる「大統領の弾劾訴追案の可否」が注目を集めている。現地の報道によると「与党から8人の造反者が出れば可決される」とされ、予断を許さない状況だ。
後者は、ウォラーFRB理事による「12月のFOMCは利下げに傾く」、サンフランシスコ連銀総裁の「12月の利下げは確実ではないが、政策当局者の選択肢としては残っている」など、ここ最近は連日米通貨当局者の発言をめぐり思惑が交錯。相場の波乱要因となっているが、昨日はパウエルFRB議長から追加利下げのペースを慎重に判断するとの考えが示唆されていた。ドル高の支援要因に。一方、それに対して日本は、本日東京時間に中村日銀審議委員が「利上げに反対しているわけではない」としつつ、「わたしはニュートラルな考え」、「慎重な調整が重要」などと述べたことが利上げに慎重といった見方に繋がっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はなかなか落ち着かない。149-150円台を中心に、依然として激しい乱高下だ。実際、今週に入り一日に1.5円以上も変動する日々が続いている。ただ、結果的には往来相場で、レンジを大きく逸脱するような展開にはなっておらず、ある意味149-150円台は居心地が良さそう。油断は禁物だが、明日に注目の米雇用統計発表を控え、本日も上下動のすえ結局はレンジにとどまるという展開をたどる可能性もある。
注目されている12月の日米金融政策発表をめぐり、市場の見方は二転三転し意見の集約化は困難を極めている。そもそも論とすれば、先でも取り上げた本日の中村発言について、日経新聞では「記者会見で利上げを容認する姿勢を示したと受け止められた」と、筆者とは正反対の論調で報じていた。いずれにしても、市場は実際の会合まで発表される指標や要人発言をめぐり、まだまだ紆余曲折ありそう。本日欧米時間も米指標内容などには引き続き要注意だ。
本日は米経済指標として、11月のチャレンジャーレイオフ調査や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。明日の米雇用統計発表が本命だが、本日も米雇用データが発表されるだけに、その内容には是非とも注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.10-150.70円。ドル高・円安方向は、2日、本日高値にあたる150.75-80円が最初の抵抗。超えると151円乗せも。
対するドル安・円高方向は、一目の雲の上限が位置する149.60円前後をめぐる攻防にまずは注目。しっかり下回ってしまうと、少し遠いが3日安値148.65円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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