東京市場のドルは149円台で推移、中村審議委員の発言で円買い強まるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本銀行の中村豊明審議委員が、「利上げに反対しているわけではない」と発言したことで利上げ実施観測が高まり、149円70銭台まで下落した。
昨晩の海外時間では、日銀の早期追加利上げ見送り観測が強まったほか、韓国情勢の安定でウォン円絡みで円売りが優勢となった。その後、米11月ADP雇用統計が10月から伸びが予想以上に鈍化したほか、米11月サービス業PMI改定値や11月ISM非製造業景況指数が予想以上に悪化したため金利低下に伴いドル売りに転じた。パウエルFRB議長の発言や米地区連銀経済報告(ベージュブック)を受けて利下げペース減速の思惑にドル売りが後退した。
東京時間では、中村審議委員が、広島市の講演にて、今後の追加利上げについて「多くのデータを確認し、経済の回復状況に応じて金融緩和度合いを慎重に調節していくことが重要だ」と述べた一方、「利上げに反対しているわけではない」と指摘したことから、12月利上げ観測が意識されて円買いがやや強まった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円53銭
高値:150円78銭
安値:149円78銭
終値:149円93銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円23銭
高値:158円49銭
安値:157円69銭
終値:157円83銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 96円78銭
高値: 96円98銭
安値: 96円41銭
終値: 96円51銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円23銭
高値:191円51銭
安値:190円43銭
終値:190円64銭
日経平均(日本時間9時―15時30分)
始値:39610円43銭
高値:39632円30銭
安値:39323円04銭
終値:39395円60銭(前日比+119円21銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、ブイチッチ・クロアチア連銀総裁がイベント出演
22時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:190.7万件、市場予想:190.3万件
22時30分、米、10月貿易収支、前回:−844億ドル、市場予想:−750億ドル
26時15分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、米雇用統計発表前で小動き推移となりそうだが、ハト派な中村審議委員の発言が材料視されていることから、12月利上げ観測の再燃で円買いが進む可能性はある。
中村審議委員の発言は下記の通り。
「自分はハト派とみられているが、経済構造の転換への芽は出ているといっている」
「日本経済の将来に明るい希望ある、成長志向の中小企業の動向を注視」
「12月ないわけでも、やるということでもない 利上げについて」
「次回会合まで短観や毎日勤労統計などどう変化するか注視」
「3月や7月も利上げ自体に反対したのではなく、利上げの仕方に反対した」
日銀審議委員のなかでは最もハト派と見られているが、利上げそのものには反対していない、との発言を受けて、市場は円買いの反応を示しており、東京時間16時過ぎには149円60銭台まで下落した。海外時間でも円買いが強まりそうな気配である。
日足の一目均衡表では、週初は雲上限を割り込む場面もあったが、下影(下ヒゲ)を残し、雲上限水準で下げ止まっている。100日移動平均線より上を推移していることから、今後は雲上限を下値サポートとして意識しそうだが、雲上限で下げ止まるか注目したい。
今晩の海外時間では、円買いドル売りの流れを想定する。上値メドは150円10銭、下値メドは148円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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