良好な米経済指標が相次ぐも軟調推移が継続。ウォラー理事によるハト派発言も重石に
〇ドル円、米国時間に安値149.08まで下落、上値の重い展開
〇米長期金利の上昇幅縮小、テクニカルの地合い悪化、短期筋のロスカット等が背景
〇ウォラーFRB理事「12月の利下げ支持に傾いている」と発言
〇ユーロドル、欧州債利回り低下、仏政治先行き不透明感等に一時1.0461まで急落、1.05前後での推移
〇ドル円、一目均衡表の雲上限が辛うじてサポートとして機能してはいるものの下値リスクに警戒必要
〇ファンダメンタルズも、日米金利差縮小期待、ベッセント・トレードへのシフト等が重石に
〇短期的なドル円相場見通しを、「ブル(強気)」から「ベア(弱気)」へと変更
〇本日の予想レンジ:148.50ー150.50
海外時間のレビュー
週明け2日(月)のドル円相場は冴えない動き。(1)急ピッチな下落に対する反動買いや、(2)日経平均株価の堅調推移が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値150.75まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米長期金利の上昇幅縮小や、(4)テクニカル的な地合いの悪化、(5)短期筋のロスカット(直近安値を割り込んだことに伴う仕掛け的なドル売り・円買い)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値149.08まで下落しました。その後も、(6)ウォラーFRB理事による「12月の利下げ支持に傾いている」とのハト派的な発言が上値を抑え、本稿執筆時点(日本時間12/3午前6時30分現在)では、149.55前後で推移しております。尚、昨日発表された米11月製造業PMI(結果49.7、予想48.8)、米11月ISM製造業景況指数(結果48.4、予想47.5)、米10月建設支出(結果+0.4%、予想+0.2%)はいずれも市場予想を上回る結果となりましたが、ドル買いでの反応は限られました。
週明け2日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間早朝にかけて、高値1.0574まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)次回ECB理事会での大幅利下げ観測(50bpの大幅利下げ期待)の高まりや、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)フランス政治を巡る先行き不透明感(フランスのバルニエ首相が「予算の一部を議会採決を経ずに強行通過させるために憲法上の手段を行使する」と宣言→バルニエ内閣に対する不信任決議案が12/4に採択され可決される見通し→独仏債スプレッド急拡大)、(4)米経済指標の良好な結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0461まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/3午前6時30分現在)では、1.0499前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/15に記録した約4カ月ぶり高値156.75をトップに反落に転じると、昨日は一時149.08まで急落しました。一目均衡表の雲上限が辛うじてサポートとして機能してはいるものの、同水準を割り込む場合には、地合いが一段と悪化する恐れも出てくるため、本日もダウンサイドリスクに引き続き警戒が必要でしょう。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差縮小期待が高まりつつあること(日銀による年内利上げ観測の高まり+米FRBによる年内利下げ観測の高まりの組み合わせ)や、トランプ・トレードからベッセント・トレードへのテーマシフトなど、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。クリスマス休暇・年末年始休暇に向けて、もう一段ドル円の上値が抑えられるシナリオも想定されるため、当方では短期的なドル円相場見通しを、「ブル(強気)」から「ベア(弱気)」へと変更いたします。
尚、本日は米10月JOLT雇用動態調査や、クーグラーFRB理事講演、シカゴ連銀グールズビー総裁発言などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:148.50ー150.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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