短期的には行き過ぎだが、ドル続落にも注意
〇本日のドル円、底割れすると一気に149円台まで下落、終盤は150円挟みの揉み合いに
〇早朝発表の東京区部消費者物価(コア)が予想を上回り、円一段高の支援要因に
〇日銀の早期利上げ観測再び強まる
〇ドル高・円安方向、150円半ばの攻防にまずは注目、上値は引き続き重そう
〇ドル安・円高方向、149.75レベルが最初のサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.00-150.40
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが大幅安。150円を割り込み、10月21日以来の149円台も。
ドル/円は、寄り付いた151円半ばを日中高値にドルが弱含み。それでも途中までは151円台をキープし下げ渋っていたものの、底割れするとそのまま一気に149円台まで1円以上も値を下げた。149.75円レベルではさすがに下げ止まるが、すでに上値は重く終盤は150円挟みの揉み合いに。16時現在ではドル安値圏、149.95-00円で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の経済状況」と「中東情勢」について。
前者は、市場で注視されていた東京区部消費者物価(コア)が発表されたが、内容はというとプラス2.2%で予想を上回るものとなり、日銀の早期利上げ観測が再び高まった。為替市場においては、先で取り上げた円一段高の支援要因に。一方、そうしたなか別途、産経新聞はいわゆる「103万円の壁」の引き上げが取り沙汰される反面、「防衛力強化にともなう増税をめぐり、所得税の議論を棚上げし、法人、たばこの2税について先行して決める案が与党内で浮上していることがわかった」と報じ、物議を醸していたようだ。
後者は、イスラエル軍が、レバノン南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの関連施設で戦闘員の活動を確認し、空爆したと発表したことが思惑を呼ぶ。27日のレバノン停戦発効後、イスラエル軍がヒズボラを空爆したのは初めてで、ややひりついた感もあったが、いまのところ大規模な交戦には発展していない。ただ、ヒズボラは停戦発効後、初の声明で、イスラエルへの抵抗運動を今後も続けると強調。また、イスラエルもネタニヤフ首相が地元メディアに対し、恒久的な停戦については否定的な考えを示したと報じられていた。まだまだ予断を許さない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、いまだ下げ止まらず。週の高値が25日月曜日の154.73円だったことからすると、今週だけで5円近い下落だ。そうしたなか、何度かレポートした起点を9月16日安値139.58円と考えた上げ幅のフィボナッチ38.2%戻し150.20円を早くも下回ってきたことになり、飽くまでフィボナッチの観点でいえば次のターゲットは半値戻しの148.15-20円となる。さすがに短期的には下げ過ぎ、行き過ぎの域ながら、多少の時間はかかるにせよ、さらなるドル安進行にも注意を払いたい。
12月の日米金融政策発表が注目されるなか、先でも取り上げたように発表された指標を受け、日銀の早期利上げ観測が再び強まってきた感がある。いま少し状況を見極めたいところだが、短期的には引き続き円の支援要因として寄与しそうだ。一方、停戦合意したとはいえ、中東は依然としてきな臭い、微妙な状況が続いている。市場が徐々にクリスマス相場の様相を呈し、商いが薄くなるだけに思わぬ価格変動リスクをしっかりと認識しておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は下方向に位置していた移動平均の21日線や200日線などを次々割り込み、ついには150円割れ。当初はかなり遠いと考えられていた一目均衡表の先行帯の雲の上限(149.10-20円)も、いまでは現実的なターゲットとして意識されている。いずれにしても、ドルの続落リスクが高いことに間違いないようだ。
対するドルの抵抗はおおよそ150円半ばレベル。ただ超えたとしても上値は引き続き重そうだ。
米サンクスギビングデーを過ぎ、いわゆる「ブラックフライデー」にあたるためか、新規材料もやや乏しい状況だ。基本的には動きにくそうなイメージ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.00-150.40円。ドル高・円安方向は、先でも指摘した150円半ばの攻防にまずは注目。超えると151円台の回復は否定できないものの、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる149.75円レベルが最初のサポート。割り込むようだと、一目の雲の上限が意識されかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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