ドル円 再び上値追い、ただウクライナ情勢が波乱要因か(11/20夕)

東京市場はドルが堅調裡。ただ、155円台は週明けに一度示現したものの定着できなかったいわくつきのレベルで、次なる動意が注視されている。

ドル円 再び上値追い、ただウクライナ情勢が波乱要因か(11/20夕)

再び上値追い、ただウクライナ情勢が波乱要因か

〇東京時間のドル円、日中安値154.55レベル示現後は緩やかな右肩上がりで155円台回復
〇昨日欧米時間に153.28まで値を崩すも、153円台へ乗せてきた21日線がサポート「行って来い」に
〇ウクライナ情勢による地政学リスクの高まりが波乱要因に
〇本日は欧州要人や中銀総裁による講演が数多く予定されており要注意
〇ドル高円安方向、155.36めぐる攻防に注目、しっかり超えると155.80レベル、156円ターゲット
〇ドル安円高方向、154.50-155.00がサポート、基本は底堅いが、下回るとさらに1円程度下落することも
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.80-156.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが堅調裡。ただ、155円台は週明けに一度示現したものの定着できなかったいわくつきのレベルで、次なる動意が注視されている。

ドル/円は154.65円前後で寄り付いたのち、揉み合いのなか日中安値の154.55円レベルを示現。しかし、以降は緩やかな右肩上がりが目に付く格好で、155円台を回復している。終盤に掛けては、週明けに示現した高値155.36円に面合わせするも、しっかり超えるまでには至らなかった。ただ、それでも16時現在、ドルは高値圏を維持し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ情勢」と「日本の政治情勢」について。
前者は、週末に伝えられた「米国が方針転換しウクライナによる長射程兵器の使用を容認した」との報道が引き続き物議を醸す。別の報道で、「ウクライナはロシア領内に長距離兵器を使用した初の攻撃を行う」などといった内容が伝えられるなか、ロシアサイドは対抗措置ともいえる核兵器の使用条件を示した「核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定」を発表している。つまり、これによりペスコフ報道官が指摘したように、「ウクライナがロシアに対して西側のミサイルを使用した場合、核による報復が行われる可能性がある」ことになった。いわゆる「核恫喝」のギアが一段上がったわけで、地政学リスクがさらに高まっている。

後者は、石破首相の外遊に関し、先日まで開催されたAPECでは当初検討していたトランプ氏との直接会談が事実上先方から断られたうえ、事故渋滞に巻き込まれたとはいえ「APEC閉幕に合わせた集合写真の撮影の場に、石破首相が間に合わなかった」−−など散々な話が連日飛び交う。また食事や着こなし、礼節などのマナーについても厳しい意見がSNSで相次ぐなか、国内ではキャスティングボードを握る国民民主党が、政府の経済対策案を事実上了承したと報じられている。さらにNHKは話を一歩進め、「自公など3党が政策責任者による協議を行い、経済対策について合意する見通し」と伝えていた。いわゆる「103万円の壁」の見直しなどが実現されそうな雰囲気になっているが、最終的な結論は果たして如何に。

<< 欧米市場の見通し >>

前段で取り上げたウクライナ情勢、「地政学リスクの高まり」を嫌気する格好で、昨日欧米時間に一時リスク回避の円買いが進行。ドル/円は153.28円まで値を崩している。しかし、本日東京で155円台へと2円を超える戻りを達成しており、さながら「行って来い」。ドルの下値不安が再び高まったというわけでもなさそうだ。油断は禁物ながら、基本的には当初想定していた153.80-155.80円といったレンジが下方向にやや広がっただけにすぎないのかもしれない。
市場の関心は12月に発表される日米金融政策に高いものの、ここにきてウクライナ情勢、「ロシアの核恫喝」を受けた地政学リスクの高まりが波乱要因として取り沙汰されている。一方、ガザも停戦が少しずつ近づいている感がうかがえるが、イスラエルの態度が頑なで合意のネックになっているようだ。クリスマスそして年末というところが見え隠れするなか、こちらの進展度合いも要注意だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間に一時下値を試すも、153円台へと乗せてきた移動平均の21日線がサポートとなり、結果として「行って来い」。予想していた2円レンジが単に下方向へと広がっただけで終わった感もある。
しかし、週明け高値の155.36円そして155.80円レベルをしっかり超えると、一転して上値トライのリスクが再び高まりかねない。156円台回復も。

本日は目立った米経済指標の発表がなく、また米要人の講演などもとくには予定されていない。やや動きにくそうな雰囲気も。ただ、後者の発言機会については米国ではなく欧州要人、中銀総裁などによる講演が数多く実施される予定で、そちらを注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.80-156.00円。ドル高・円安方向は、まだしっかりと超えられていない155.36円をめぐる攻防にまずは注目。しっかり超えると155.80円レベル、そして156円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた154.50-155.00円がサポートとして意識される展開か。基本は底堅いイメージだが、下回るとさらに1円程度下落する展開も。

再び上値追い、ただウクライナ情勢が波乱要因か

ドル円日足



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