ドル高継続するも目先買われ過ぎ、調整にも注意
〇本日のドル円、156.75レベルまで上昇後、加藤財務相の円安けん制発言で円買い優勢に
〇夕方に掛けて行って来い、16時現在156.10-15まで軟化
〇テクニカルには、161.96を起点とした下げ幅76.4%戻しで調整となるか
〇本日は米11月NY連銀製造業景況指数、10月小売売上高などに注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値の156.75レベルがなかなか強い抵抗
〇ドル安・円高方向、昨日安値の155.34をめぐる攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:155.20-156.50
<< 東京市場の動き >>
東京市場は結果「行って来い」。ドルは続伸し、一時156円後半まで値を上げたが続かなかった。
ドル/円は156.25-30円半ばで寄り付いたのち、ドル買いが先行。前日示現した戻り高値を超え、156.75円レベルまで上昇している。しかし、加藤財務相から円安けん制発言が聞かれたことなどもあり、流れが一変。円買いが優勢になると、夕方に掛けては行って来い。16時現在では、寄り付きを下回る156.10-15円まで軟化し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「米金融政策」について。
前者は、昨日もレポートしたように、一連のドル高の起点が9月16日の139.58円だとすれば、およそ2ヵ月で上昇率は12%に達し、「過度の変動」にあたるとみられることで、円安警戒感が強くくすぶる。そうしたなか、日本時間でいえば本日早朝、米財務省が半期の為替報告発表。そのなかで、日本を「監視対象」継続にするとともに、為替介入は「極めて例外的な状況に限定し、適切な事前協議を踏まえて実施すべきだ」と、改めて安易な介入をけん制していた。よって、そののち前述したように加藤財務相から「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」などとする口先介入が聞かれたものの、実弾介入の実施はなかなか難しそうといった指摘もある。
後者は、13日に発表された米消費者物価指数が事前予想通りの内容になったことに続き、昨14日発表された同生産者物価指数は予想を上回る結果に。また、雇用指標の米新規失業保険申請件数もわずかながら、予想より改善した内容だった。発表される米指標の好数字が続くなか、パウエルFRB議長は講演で「米国経済は、利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と発言したことが市場で大いに話題となっていた。一方、それとは別に米リッチモンド連銀総裁は、インフレ克服に関する不確実要因として、労使交渉の高賃金での妥結のほか、トランプ新政権誕生による将来的な関税引き上げの可能性を挙げていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場の上昇が止まらない。ついには157円台乗せを視界内に捉えたレベルまで一時達している。しかし、それにしても今年のドル/円はかなりの大相場だ。今年を総括するにはまだ早いものの、大まかに振り返っただけでも年明けの141円を安値に162円まで「21円の上昇」。そののち140円割れまで「22円の下落」をたどり、そして足もとは再び反発、「16円上昇」しての156円台という流れとなっている。しかし、まだまだ予断を許さず年内だけでも、もう一相場かふた相場ある気がしてならない。
12月に発表される日米金融政策への関心が引き続き高い。そうしたなか、これまで米国については「追加利下げ」を期待する声が優勢だったが、前述したパウエル発言が思惑に冷や水を浴びせた格好となった。ただ、日経クイックの調査では、依然として利下げを実施するとの見方が若干優勢だという。いずれにしても、このあとも発表される米指標や発言に一喜一憂する展開が続きそう。本日も引き続き発表される米指標の内容をしっかりと注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は予想以上に速いスピードでの円安進行。本日東京では156.75円レベルを示現している。基本的なリスクはドル高で間違いないものの、先のレベルは以前からレポートしている高値161.96円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに近いところがやや気掛かり。同レベルで上げ止まり、調整の動きに押される懸念もある。昨日安値155.34円を下回ると、155円では下げ止まらないかもしれない。
本日は米経済指標として、11月のNY連銀製造業景況指数や10月の小売売上高などが発表される予定だ。前述したように、昨日発表された米指標は良好だったが、それに続く内容となるのか否か注目されている。好数字となれば、再びドル買いが強まる可能性も否定できない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.20-156.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の156.75円レベルがなかなか強い抵抗。その手前、156円ちょうどから前半もターゲットとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の155.34円をめぐる攻防にまずは注目。基本は底堅そうだが、しっかり下回ると155円割れを否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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