東京市場のドルは156円台で推移、為替介入への警戒感が低いことからドルじり高継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りが4.47%まで上昇したことなどからドルはじり高となった。
昨晩の海外時間では、朝方発表された10月生産者物価指数(PPI)で伸びが加速しディスインフレの停滞を示したほか、新規失業保険申請件数が5月来の低水準と労働市場の底堅さが示され、クグラーFRB理事がインフレ動向次第で利下げ見送りも適切との発言で長期金利の上昇に伴うドル買いが強まった。
その後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が「経済は強く、利下げを急ぐ必要性が示唆されていない」との見解を示すと12月の連邦公開市場委員会(FOMC)利下げ確率が低下し、ドル買いにさらに拍車がかかり156円40銭台まで上昇した。
東京時間では、株式市場で日本株はしっかりだった一方、時間外の米10年債利回りが4.47%まで上昇。日本の10年国債利回りも1.07%台まで上昇したが、ドル独歩高の展開は継続。海外時間の高値を上回り156円70銭台まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円30銭
高値:156円75銭
安値:156円26銭
終値:156円46銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円59銭
高値:165円04銭
安値:164円54銭
終値:164円91銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 100円88銭
高値: 101円20銭
安値: 100円82銭
終値: 101円12銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:197円95銭
高値:198円45銭
安値:197円88銭
終値:198円31銭
日経平均(日本時間9時―15時30分)
始値:38749円56銭
高値:39101円64銭
安値:38642円91銭
終値:38642円91銭(前日比+107円21銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
22時30分、米、11月NY連銀製造業景気指数、前回:−11.9、市場予想:0.0
22時30分、米、10月小売売上高コア(前月比)、前回:0.5%、市場予想:0.3%
22時30分、米、10月小売売上高(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.3%
22時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がCNBC出演
23時00分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が開会挨拶
23時15分、米、10月鉱工業生産指数(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:−0.3%
23時15分、米、10月鉱工業生産指数(設備稼働率)、前回:77.5%、市場予想:77.3%
24時15分、欧、チポローネECB理事が会議出席
24時30分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁がブルームバーグTVに出演
27時15分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が開会挨拶
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、引き続きドル独歩高の展開が続きそうだ。ドルインデックスは106.7台、昨年10月以来の水準まで上昇しており、トランプ次期政権の政策によるインフレを見越した市場の思惑は高まりつつある。また、海外時間でのパウエルFRB議長発言も影響してドルは上昇しやすい地合いとなっている。
東京時間で、加藤財務大臣が「投機的な動きを含めて極めて高い緊張感をもって為替を注視」「行き過ぎた動きには適切な対応をとる」などと軽い口先介入を行ったが、政府・日本銀行による為替介入への警戒感はさほど高まっていない。石破第二次政権がスタートしたばかりであることや、18日から開催されるG20 (主要20カ国・地域首脳会議)開催を前に政府・日銀は積極的な為替対応がとりにくい様子だ。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線ともに上向きでトレンドは強い。基準線が位置する151円50銭水準までの調整を警戒していたが、米長期金利の上昇に伴う日米金利差拡大を要因としたドル上昇は続きそうだ。ターゲットとしては心理的な節目である160円も冗談ではなくなってきた。
今晩の海外時間も、トレンドの強さからドルじり高の展開を想定する。上値メドは156円80銭、下値メドは155円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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