NY休場もあり、基本的にはレンジ予想
〇東京市場のドル円、寄り付き152.65レベルを日中安値に緩やかな右肩上がり
〇日中高値153.65-70まで1円ほど上昇、そこからは上値も重く上げ渋り16時現在153.35-40で推移
〇本日ベテランズ・デーでNY休場、新規材料に乏しく基本的にはレンジ予想
〇テクニカルには、11/7の154.71で目先高値、11/8の152.14で目先安値示現か
〇ドル高円安方向、153.65-70巡る攻防に注目、上抜けると154円乗せ否定できないが上値重そう
〇ドル安円高方向、ビッドならび始めた152.60-70がサポート、153円レベルも弱いサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:152.80-153.90
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場はドルが堅調裡。NYが休場となるなか、ジリジリと値を上げ、結果的に東京だけで1円ほどの上昇をたどっていた。
週末は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘をめぐり、停戦交渉を仲介するカタールが仲介の一時停止を発表し物議を醸す。一方、トランプ次期大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争を拡大しないよう忠告したと伝えられていた。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた152.65円レベルを日中安値に、緩やかな右肩上がり。153円をあっさり超え、日中高値の153.65-70円まで1円ほどの上昇をたどっている。さすがに、そのレベルからは上値も重く上げ渋ったが、16時現在でもそのまま高値をキープ。153.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、週末に初の8万ドル台を示現した暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、東京でも底堅く推移。一時は高値を更新している。
一方、材料的に注視されていたものは「米政治情勢」と「中東情勢」について。
前者は、次期米大統領に内定しているトランプ氏の動きがそこここで話題に。たとえば、ロシアのプーチン大統領と7日に電話会談し、ウクライナでの戦争を拡大しないよう忠告したと報じられている。また、ゼレンスキー氏やトルコ大統領、あるいはイラン外相から秋波を送られ、それぞれ自国を訪問するなど直接会っての会談を望む声が複数聞かれていた。一方、それとは別にトランプ次期政権における組閣人事も話題に。トランプ氏自身が新政権でヘイリー元国連大使、ポンペオ元国務長官を起用しないと表明するなか、トランプ前政権下で財務長官を務めたムニューシン氏は、インタビューで新政権への参加を否定している。反面、具体的な役職名は聞かれないが、引き続きテスラのマスク氏重用観測は根強く取り沙汰されていた。
後者は、先でも指摘したように、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘をめぐり、停戦交渉を仲介するカタールが仲介の一時停止を発表し物議を醸す。そうしたなかオースティン米国防長官が、就任したばかりのイスラエルのカッツ国防相と初めて電話会談を実施したと伝えられているが、それと関係があるのかイスラエルメディアは「米国からの圧力で一時的な停戦検討」と報じていたという。一方、サウジアラビア軍のルウィーリ参謀総長は、訪問先のイランの首都テヘランでイラン軍のバゲリ参謀総長と会談。また国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、13日からイランを訪問し14日に政府高官と会談するようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週6日と7日に高値154.70円レベルを示現したものの、そののち152.14円まで2円を大きく超える下落。これを持ち、ドルの上値追いは当面なくなったと考えていたのだが、本日東京時間にドルは153.65-70円まで反発に転じていた。前述した下げ幅の61.8%程度まで戻してきた計算で、再びドル上昇機運が高まりつつあるか。しっかり超えれば154円台回復、そして7日高値154.71円が視界内に。
先週までに日米の金融政策が発表されるなか、市場はすでに次に実施される12月会合における金融政策を注視している。そうした意味で、今週も発表される日米の経済指標や発言にも一応要注意だが、本日はNY市場が休場となり、米指標発表などはとくに予定されていない。動きにくそうな雰囲気だ。しかし、日米を中心とした政治情勢や、中東などにおける地政学リスクの高まりなどはしっかりとウォッチしておきたい。
テクニカルに見た場合、断定するには早いものの、ドル/円は7日の154.71円が目先高値、8日の152.14円で目先安値を示現した感がある。つまり、短期的な天底を付けたとみられることで、大きくとれば152.14-154.71円というレンジ取引がしばらく続く展開か。基本的には153円挟みの一進一退を目先は予想している。ただし、本日東京時間は意外に荒っぽい変動で、「薄商い=荒れ模様」の展開にも一応要注意だ。
本日はベテランズ・デーでNYが休場となることもあり、目立った経済指標の発表や要人の講演などはとくに予定されていない。新規材料に乏しいことで、そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.80-153.90円。ドル高・円安方向は、本日高値の153.65-70円をめぐる攻防にまずは注目。上抜けると154円乗せを否定できないが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、ビッドがならび始めた152.60-70円がサポートになりつつあるようだ。その手前153円レベルも弱いサポートか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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