200日線突破で約3カ月ぶり高値圏へと急上昇。一時153円台に乗せる場面も
〇ドル円、米国時間朝方にかけ153.19まで急伸、152円台後半での推移
〇介入警戒感の後退、米金利上昇、テクニカルな地合いの好転、トランプトレード再開がサポート
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言等に1.07台後半抑えない動き
〇ドル円、200日移動平均線を突破し、強い買いシグナルも成立、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード再開期待、トランプトレード再開期待がドル円をサポート
〇政府・日銀による実弾介入がこのタイミングで出てくる可能性は低いか
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.75ー153.75
海外時間のレビュー
23日(水)のドル円相場は大幅上昇。アジア時間朝方にかけて、安値151.02まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)政府・日銀による介入警戒感の後退(当局者より円安牽制発言が出てこないことに対する安堵感)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが7/26以来の高水準となる4.26%へ急上昇)、(3)テクニカル的な地合いの好転(市場参加者に意識されていた200日移動平均線を上方ブレイク)、(4)トランプ・トレード(米ドル買い)の再開期待が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値153.19(7/31以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/24午前6時25分現在)では、152.70前後で推移しております。尚、昨日発表された米9月中古住宅販売件数(結果384万件、予想388万件)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
23日(水)のユーロドル相場は冴えない動き。欧州時間朝方にかけて、高値1.0806まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ポルトガル中銀センテノ総裁による「50bpsの利下げを検討中」とのハト派的な発言や、(2)上記1を背景とした次回ECB理事会での大幅利下げ観測再燃、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)テクニカル的な地合いの悪化(直近安値を下方ブレイク)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0761(7/3以来の安値圏)まで下落しました。その後は、(5)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「市場の利下げ観測は踏み込み過ぎの公算大」とのユーロ売り牽制発言などを受けて小幅に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間10/24午前6時25分現在)では、1.0780前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時153.19(7/31以来の高値圏)まで急伸するなど、約3カ月ぶり高値を更新しました。日足ローソク足が最後の砦として意識されていた200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(一時100%近く織り込まれていた年内2回=計50bpの追加利下げの織り込み度合が足元68.5%まで急低下→米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による過度な利上げ期待の後退(政局不透明感が燻る中、日銀が追加利上げに踏み切ることは一段と難しくなったとの見方が浸透)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(外国人投資家による円キャリートレードの再開や、本邦個人投資家による逆張りショートのロスカット)、(4)トランプ・トレードの再開期待(対主要通貨でのドル買い圧力)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。
政府・日銀による実弾介入についても、このタイミングで出てくる可能性は乏しいと見られることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国の主要経済指標(米9月シカゴ連銀全米活動指数、米新規失業保険申請件数、米10月製造業・非製造業PMI速報値、米9月新築住宅販売件数、米10月カンザスシティ連銀製造業活動指数など)が複数予定されているため、海外時間帯のボラティリティ拡大に警戒が必要でしょう(良好な結果が示されれば、米国のソフトランディング期待の高まり→米FRBによる追加利下げ観測後退→米金利急上昇の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる公算大)。
本日の予想レンジ:151.75ー153.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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