151円台まで続伸、ただ口先介入などに注意
〇本日のドル円、150円半ばへ軟落後に151円台示現、その後は再びドル売りに
〇テクニカルには、フィボナッチポイントの153.40レベルへ一段高の可能性も
〇本日は米リッチモンド連銀製造業指数、欧米通貨当局者の講演に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値151.10レベルの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向、本日東京安値150円半ばが最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:150.40-151.40
東京市場はドルが小高い。一時7月31日以来となる151円台を示現する局面も観測されていた。
ドル/円は150.80-85円で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。調整と思しき動きから、日中安値である150円半ばへと軟落した。しかし下げ止まったのち、ドルは逆行高。前日記録した戻り高値150.88円を超え、7月31日以来となる151円台を示現している。ただ、さすがに高値を付けたのちは再びドル売りに押され、16時現在では150.75-80円へと値を崩し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、昨日さほど目立った米経済指標の発表などもないなか、複数の米通貨当局者からの発言が相次いでいた。たとえば、カンザスシティー連銀総裁は「注意深く慎重な利下げへのアプローチを支持する」意向を示したうえ、ダラス連銀総裁も「慎重なペースで金利を引き下げるべきだ」などと発言。また、ミネアポリス連銀総裁も「基本的に緩やかな利下げを予想している」としつつ、「労働市場が急激に悪化すれば、迅速な利下げを主張する可能性がある」とコメントしていたようだ。タカ派とまでは言わないが、それほど弱気に傾斜している感じは見られず、潜在的なドルの支援要因に。
後者は、ここ最近国際的な問題となっている「北朝鮮兵士によるウクライナ侵攻参戦」観測だが、ついに国連安全保障理事会で議論される事態となった。米国や英国の国連大使は「ウクライナ派兵は事実の可能性高い」とやや慎重な言い回しだったものの、ウクライナの国連大使は「派遣兵11000人がロシア東部で訓練を受けている」などと具体的な数字を挙げて断定している。それに対して、ロシアはいつもながらの完全否定。「恐怖をあおるデマだ」と米英などの懸念を一蹴していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円はドルの上値が重いなか、本日東京時間ついに151円台へ。そうしたなか、加藤日銀理事から「円安けん制発言」も一応聞かれたが、トーンとしては非常に弱い。投機筋が足もとを見透かすようなら、ドルはこのあとさらなる上値を試す展開をたどっても不思議はない。一方、テクニカルには以前レポートしたように、今年のドル最高値161.96円を起点とした下げ幅の半値戻しが150.75-80円だったが、それを名実ともに超えてきた。一本調子に到達するとは思われないものの、61.8%戻しは153.40円レベルとなる。
市場の関心は日米金融政策に高いなか、発表される米指標や要人発言に一喜一憂か。しかし、先で取り上げたように米要人の多くは早期利下げにそれほど積極的ではないようだ。油断は禁物だが、強いドル売りの要因にはなりにくいだろう。そうしたなか、市場で思惑を呼んでいるのが日米政治情勢、とくに週末に総選挙が実施される日本の政治情勢への関心が高い。実際、一部では本日早朝に見られたドル/円などの下押しは、産経新聞による「自公の過半数割れ」報道を懸念した動きとの話も取り沙汰されているなど、結果如何によっては相場の波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は当局の円安けん制なども警戒されるなか、本日東京時間に一時151円台。移動平均では150-10-20円に位置する90日線を超えただけでなく、151.30円台で推移する200日線が視界内に捉えられた。90日線がしっかりとしたサポートになるだけでなく200日線も超えると、いよいよ前述したフィボナッチポイントの153.40円レベル、ドルの一段高も否定できなくなりそうだ。
本日は米経済指標として、10月のリッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、フィラデルフィア連銀総裁など欧米通貨当局者の講演が相次ぐ予定だ。また、米企業の決算発表やロシアではじまるBRICS首脳会議の行方などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.40-151.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値に当たる151.10円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ200日線を目指しそう。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の150円半ばが最初のサポートか。基本は底堅いイメージだが、強めの口先介入などが観測されるようだと、予想以上の崩れも否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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