ドル円、米CPI後に急伸するも、冴えない米新規失業保険申請件数を受けて急反落(10/11朝)

10日(木)のドル円相場は乱高下。

ドル円、米CPI後に急伸するも、冴えない米新規失業保険申請件数を受けて急反落(10/11朝)

米CPI後に急伸するも、冴えない米新規失業保険申請件数を受けて急反落

〇ドル円、米CPIの市場予想を上回る結果等に米国時間朝方に149.57まで上昇
〇買い一巡後は、同時発表の新規失業保険申請件数の増加、米金利低下等に一転148.31まで下落
〇終盤はアトランタ連銀ボスティック総裁の11月利下げ見送りの可能性への言及等に148円台半ばを回復
〇ユーロドル、欧州経済先行き不安等に1.09台前半で上値重い
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも継続、ドル買い地合いを維持
〇日銀による追加利上げ観測後退、米FRBによる過度な利下げ期待の剥落もドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(心理的節目150.00突破を試す展開)を予想
〇本日の予想レンジ:147.50ー149.50

海外時間のレビュー

10日(木)のドル円相場は乱高下。(1)中国政府による財政出動期待を背景としたリスク選好ムードの高まり(中国財務省は10/12に財政政策調整の強化に関する記者会見を実施予定)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)米9月消費者物価指数(結果+2.4%、予想+2.3%)の市場予想を上回る結果、(4)米9月コアCPI(結果+3.3%、予想+3.2%)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値149.57まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)米新規失業保険申請件数(結果25.8万件、予想23.0万件)の冴えない結果や、(7)米金利低下に伴うドル売り圧力、(8)米主要株価指数の冴えない動きが重石となり、一転して安値148.31まで急落する荒々しい値動きとなりました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)アトランタ連銀ボスティック総裁による「11月の金利据え置きについて私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」とのタカ派的な発言などが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間10/11午前6時30分現在)では、148.55前後で推移しております。尚、昨日は氷見野日銀副総裁より「経済・物価の見通しが実現するより高い確度が得られれば金融緩和の度合いを修正する」とのタカ派的な発言が見られましたが、円買いでの反応は一時的なものに留まりました。

10日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)欧州経済を巡る先行き不安の高まり(ドイツ政府は前日2024年のGDP見通しを▲0.2%に下方修正)や、(2)ECBによる根強い追加利下げ観測(来週10/17に予定されているECB理事会での25bp利下げが完全に織り込まれている状態)、(3)中東情勢を巡る地政学的リスク、(4)米9月消費者物価指数および、同コアCPIの市場予想を上回る結果、(5)アトランタ連銀ボスティック総裁による「11月の金利据え置きについて私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」とのタカ派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0900まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/11午前6時30分現在)では、1.0935前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は約2カ月ぶり高値更新後に反落する結果となりましたが、日足ローソク足が依然として主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のバンドウォーク」が成立していること等を踏まえると、テクニカル面に見て、地合いは崩れてない(一巡後に反発に転じる可能性が高い)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の後退(石破首相は10/2に「追加利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言。氷見野日銀副総裁は昨日「経済・物価の見通しが実現するより高い確度が得られれば、金融緩和の度合いを修正する」と発言したが、同時に「最初からコースが決まっているわけではない」とも発言しているため、昨日の氷見野副総裁発言を以ってタカ派的=円買い要因と捉えるのは時期尚早)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(米雇用統計が力強い結果を示したことに加えて、昨日発表された米CPIも市場予想を上回る結果)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(ヘッジファンドやCTAなど主に海外勢による円キャリートレードが再開する恐れ)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

明日予定されている中国財務省による記者会見で財政出動が発表されれば、来週以降世界的な株高→リスク選好の円売りの経路でドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(心理的節目150.00突破を試す展開)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米9月生産者物価指数や、米10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、米当局者発言(シカゴ連銀グールズビー総裁、ダラス連銀ローガン総裁)に注目が集まりそうです。

本日の予想レンジ:147.50ー149.50

注:ポイント要約は編集部

米CPI後に急伸するも、冴えない米新規失業保険申請件数を受けて急反落

ドル円日足

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