149円台を回復するなど堅調な値動き。本日は米9月CPIに注目
〇ドル円、中国の財政出動期待と、世界的リスク選好回復、米金利上昇に米国時間に149.37まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言等に1.09台前半に反落、上値重い
〇ドル円、約2カ月ぶり高値圏へ上昇、テクニカルにも強い買いシグナルが点灯
〇本日、21:30に発表される米9月消費者物価指数に注目が集まる
〇CPIの結果に係わらず、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.25ー150.50
海外時間のレビュー
9日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値148.01まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)中国財政省による「財政政策調整の強化に関して10/12午前10時から記者会見を行う」との発表や、(2)上記1を好感したグローバルなリスク選好ムード再開(中国の財政出動期待)、(3)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(4)ダラス連銀ローガン総裁による「金利正常化に向けてより緩やかな道筋を支持する」との早期利下げに慎重な発言、(5)米主要株価指数の堅調推移、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値149.37(8/15以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/10午前6時20分現在)では、149.22前後で推移しております。尚、昨日発表された米FOMC議事要旨(9/17ー9/18開催分)にサプライズは特段見られず、市場の反応は限られました。
9日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0981まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBは来週予定されている政策決定会合で利下げを実施する公算が極めて大きく、またこれが最後になるわけではない」とのハト派的な発言や、(2)スロバキア中銀カジミール総裁による「10月会合での利下げの可能性を排除することはできない」とのハト派的な発言、(3)ラトビア中銀カザークス総裁による「経済が弱いため利下げは必要」とのハト派的な発言、(4)ドイツ政府による「2024年のGDP見通しを▲0.2%に下方修正した」とのネガティブ発表、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0936まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/10午前6時20分現在)では、1.0940前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は149円台を回復するなど堅調推移が継続しました(約2カ月ぶり高値圏へ上昇)。中国政府による財政出動期待(世界的な株高→リスク選好の円売り再開)と、米金利上昇に伴うドル買い圧力が重なったことが背景と考えられます。日足ローソク足で強い買いシグナルを示唆する「強気のバンドウォーク」が再点灯したことや、4時間足や1時間足で強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」が成立したこと等も、テクニカル面でドル円を支えました。心理的節目150.00突破は時間の問題と判断できるでしょう。こうした中、本日は日本時間21:30に発表される米9月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る場合には、現在80%程度織り込まれている次回11月FOMCでの25bp利下げ観測が後退するため、「政策金利の据え置き観測浮上→米金利急上昇→米ドル買い」の経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されます。
一方、市場予想を下回る場合には、FEDが現在デュアルマンデートの中で軸足を置いているのは「物価の安定」ではなく「雇用の最大化」なので、CPI鈍化がFEDの政策決定に与える影響は然程大きくないといった都合の良い解釈がなされて、ドル売りでの反応は一時的なものに留まりそうです(一時的にドル円が下落した後、すぐに持ち直す展開を想定)。以上を踏まえ、当方では引き続き、(CPIの結果に係わらず)ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:148.25ー150.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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