ドル円、上下しつつも底堅さを維持。日米金利差に着目したドル買い・円売りが下支え
〇ドル円、欧州朝方147.34まで急落するも、米国時間午後の高値148.38まで反発
〇中国から追加経済対策の発表無く香港株の急落が重石となった反面、米長期金利の上昇等がサポート
〇ユーロドル、1.09台後半で上値重い。心理的節目1.10を背にした戻り売り、中東の地政学リスクが重石
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも成立、地合い強い
〇日銀による追加利上げ期待、米FRBによる過度な利下げ期待の剥落もドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.50ー149.00
海外時間のレビュー
8日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)日経平均株価の冴えない動きや、(2)中国国家発展改革委員会による記者会見で追加的な経済対策が発表されなかったことに対する失望感、(3)上記2を背景とした香港株の大幅下落が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値147.34まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)急ピッチな下落に対する反動買いや、(5)日経平均先物の持ち直し(リスク回避ムード後退)、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値148.38まで反発しました。
引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/9午前6時30分現在)では、148.20前後で推移しております。尚、昨日はアトランタ連銀ボスティック総裁より「インフレ率は依然として2%をはるかに上回っている」「経済が強すぎるリスクがあり政策の再調整を妨げる可能性がある」との発言が見られた他、ボストラン連銀コリンズ総裁からも「最近のデータは労働市場が全体的に良好な状態にあることを示している」「利下げには慎重でデータに基づくアプローチが適切」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
8日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0998まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)心理的節目1.1000を背にした戻り売り圧力や、(2)中東を巡る地政学的リスクの残存、(3)中国が追加的な経済対策を打ち出さなかったことに対する失望売り、(4)ラトビア中銀カザークス総裁による「データは10月理事会での利下げを示唆している」とのハト派的な発言、(5)ポルトガル中銀センテノ総裁による「ユーロ圏のインフレ率は目標に向かって収斂しつつある」とのハト派的な発言、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0960まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/9午前6時30分現在)では、1.0978前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は下落後に反発するなど底堅い動きが続いています(下値の堅さを再確認)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表転換線、基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、4時間足で強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の後退や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(先週末金曜日に発表された米9月雇用統計が想像以上の強さを示唆)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差に着目した構造的なドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
明日10/10に予定されている米9月消費者物価指数が市場予想を上回る結果となれば、11月FOMCでの政策金利据え置き観測浮上→米金利急上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わる展開が想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米FOMC議事要旨に注目が集まります(50bpの利下げに至った経緯や、理事として2005年以来の反対票を投じたボウマンFRB理事の見解などに注目)。
本日の予想レンジ:147.50ー149.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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