約1ヵ月半ぶり高値更新後に反落するも下値は堅い。一巡後の反発リスクに要警戒
〇ドル円、米国時間朝方にかけ147.86まで反落、148円台前半での推移
〇三村財務官による円安牽制発言、10日発表の米9月CPIを控えたポジション調整が重石に
〇ユーロドル、1.09台後半で方向感に欠ける動き
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも成立、地合い強い
〇日銀による追加利上げ期待、米FRBによる過度な利下げ期待の剥落もドル円をサポート
〇国慶節明けとなる本日以降に中国が追加的な景気刺激策を打ち出すか注目
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.00ー149.50
海外時間のレビュー
週明け7日(月)のドル円相場は直近高値更新後に反落。(1)先週末金曜日に発表された米9月雇用統計の力強い結果や、(2)上記1を背景とした米FRBによる早期利下げ観測後退(米金利上昇に伴うドル買い圧力)、(3)心理的節目149円丁度突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支えとなり、アジア時間朝方にかけて、高値149.13まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(5)8/15高値149.40を背にした戻り売り圧力、(6)三村財務官による「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」との円安牽制発言、(7)10/10に予定されている米9月消費者物価指数(CPI)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値147.86まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/8午前6時00分現在)では、148.15前後で推移しております。
週明け7日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)先週末金曜日に発表された米9月雇用統計の力強い結果や、(2)上記1を背景とした米FRBによる早期利下げ観測後退(米金利上昇に伴うドル買い圧力)、(3)中東を巡る地政学的リスク、(4)ドイツ8月製造業受注(結果▲3.9%、予想▲1.6%)の市場予想を下回る結果が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0955まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)先週末金曜日に記録した安値1.0951を背にした押し目買い圧力や、(6)ユーロ圏10月投資家信頼感指数(結果▲13.8、予想▲15.4)の市場予想を上回る結果、(7)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「インフレとの戦いはまだ終わっていない」とのタカ派的な発言が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値1.0987まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/8午前6時00分現在)では、1.0974前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時149.13まで上昇するなど、約1カ月半ぶり高値を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表転換線、基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のバンドウォーク」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ期待の剥落(石破首相は先週「現在は追加利上げをするような環境にはない」と市場で燻る早期利上げ期待を強く牽制)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(パウエルFRB議長は先週「我々が利下げを急いでいるとは感じていない」と市場で高まる早期利下げ期待を牽制。米9月雇用統計も文句なしの力強い結果で米経済のハードランディング懸念が後退)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。
中国政府が国慶節明けとなる本日以降に追加的な景気刺激策を打ち出すとの期待感もリスク選好の円売りを通じてドル円を下支えすると見られることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(ポジション調整一巡後の反発)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はアトランタ連銀ボスティック総裁講演や、ボストン連銀コリンズ総裁講演に注目が集まります。
本日の予想レンジ:147.00ー149.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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