心理的節目147.00を突破し、約1カ月半ぶり高値圏へ続伸。本日は米雇用統計に注目
〇ドル円、中東情勢緊迫化、米9月ISM非製造業景況指数の好結果等に146円台後半で底堅い
〇ユーロドル、欧州指標不冴え、中東情勢緊迫化、米金利上昇等に1.10台前半の冴えない動き
〇ドル円、テクニカルの地合い好転、一目均衡表「雲」下限を突破できれば150円台回復が射程圏内
〇日銀による過度な利上げ期待、米FRBによる過度な利下げ期待の剥落もドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日は日本時間21:30に発表される米9月雇用統計に注目
〇本日の予想レンジ:145.00ー148.50
海外時間のレビュー
3日(木)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日銀による追加利上げ観測の後退(石破首相や植田日銀総裁による前日のハト派発言に加えて、昨日は野口日銀審議委員からも「政策調整は時間的な余裕あり十分に見極めたい」との発言あり)や、(2)日経平均株価の堅調推移、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)心理的節目147.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支えとなり、アジア時間朝方にかけて、高値147.24(8/20以来の高値圏)まで上昇しました。その後は、(5)急ピッチな上昇に対する反動売りを背景に、一時146.30まで反落する場面も見られましたが、一巡後に下げ渋ると、(6)中東情勢緊迫化に伴う有事のドル買いや、(7)米9月ISM非製造業景況指数(結果54.9、予想51.7)の市場予想を上回る結果(約1年半ぶり高水準)、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間10/4午前2時40分現在)では、146.65前後まで持ち直す動きとなっております。
3日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.1050まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ユーロ圏8月生産者物価指数(結果▲2.3%、予想▲2.3%、前回▲2.1%)の伸び率鈍化や、(2)中東情勢緊迫化に伴うリスク回避のユーロ売り、(3)欧州株の冴えない動き(独DAXは4営業日続落)、(4)米9月ISM非製造業景況指数の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1008まで反落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/4午前2時40分現在)では、1.1033前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時147.24まで上昇するなど、約1カ月半ぶり高値を回復しました(前週末金曜日に発生した石破ショックの全値戻しを達成済み)。日足ローソク足が90日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「強気のバンドウォーク」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象づけるチャート形状となりつつあります。上方より垂れ下がってくる一目均衡表雲下限を突破できれば、一気に150円台への回復が射程圏内に入ってくるため、本日は一目均衡表雲下限を巡る攻防にも注目が集まります。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による過度な利上げ期待の剥落(石破首相は10/2に「現在は追加利上げをするような環境にはない」と踏み込んだ発言)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(パウエルFRB議長は「FEDが利下げを急いでいるとは感じていない」と市場で高まる早期利下げ期待を強く牽制)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が増えつつあります。中東情勢緊迫化に伴う地政学的リスクも、「有事のドル買い」を通じて、ドル円を下支えすると見られることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は日本時間21:30に発表される米9月雇用統計(米9月非農業部門雇用者数、米9月失業率、米9月平均時給)に注目が集まります。米FRBは現在、デュアル・マンデートである「物価の安定」「雇用の最大化」の内、後者に軸足を置いているため、本日の米雇用統計で労働市場の力強さが示される場合には、米FRBによる利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、米国時間帯のボラティリティ急拡大に特に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:145.00ー148.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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