ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場展開。石破ショックはひとまず終了か(10/1朝)

週明け30日(月)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場展開。石破ショックはひとまず終了か(10/1朝)

急落後に急伸するなどボラタイルな相場展開。石破ショックはひとまず終了か

〇ドル円、株売り円買いの動き続き、東京終盤に141.65まで下落するも、米国時間に143.91まで急反発
〇石破政権への過度な反応の巻き戻し、米指標の好調、パウエルFRB議長のタカ派発言等が背景
〇ユーロドル、ECB早期利下げ観測再燃と、米長期金利の上昇に1.11台前半に急落
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイント上抜け、地合いの回復期待される
〇日米金融政策の時間的猶予への期待、世界的リスクオンの動き等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.50ー145.50

海外時間のレビュー

週明け30日(月)のドル円相場は急落後に急反発。(1)先週末金曜日の自民党総裁選・決選投票で緊縮財政+金融政策正常化を掲げる石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことや、(2)上記2を背景としたパニック的な株売り・円買い(高市氏が破れたことでアベノミクス継承に対する期待感剥落→石破ショック発生→週明けの日経平均株価が一時2000円超急落→リスク回避の円買い再開)が重石となり、日本時間引けにかけて、安値141.65まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)石破氏による週末9/29の「デフレが脱却できたと断言できない状況の中で、金利を云云かんぬんと言ってはいけないと思う」との利上げ牽制発言が改めて意識されたことや、(4)石破氏が週明けの記者会見で「10/27に解散総選挙を行いたい」と明言したこと(早期解散総選挙を市場が好感)、(5)米9月シカゴ購買部協会景気指数(結果46.6、予想46.0)の市場予想を上回る結果、(6)米9月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲9.0、予想▲10.8)の市場予想を上回る結果、

(7)パウエルFRB議長による「FEDは利下げを急いでいるとは感じていない」「この先、経済がおおむね想定通りに進展すれば、政策は時間とともにより中立のスタンスへと移行するだろう」との早期大幅利下げに慎重な発言、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(9)米主要株価指数の史上最高値更新が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値143.91まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/1午前6時30分現在)では、143.60前後で推移しております。

週明け30日(月)のユーロドル相場は高値圏から急反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.1208まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)9/25に記録した年初来高値1.1214を背にした戻り売り圧力や、(2)ドイツ9月消費者物価指数速報値(結果+1.6%、予想+1.7%)の市場予想を下回る結果、(3)ラガルドECB総裁による「欧州の回復は逆風に直面している」「ディスインフレが過去2カ月間で加速した」とのハト派的な発言、(4)上記2、3を背景としたECBによる早期利下げ観測再燃、(5)米経済指標(米9月シカゴ購買部協会景気指数、米9月ダラス連銀製造業活動指数)の市場予想を上回る結果、(6)パウエルFRB議長によるタカ派的な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1113まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/1午前6時30分現在)では、1.1135前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時141.65まで急落するも、海外勢参入後に143円台後半まで持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線)を上抜けしており、テクニカル的に見て、地合いの回復が期待されます(石破氏が早期解散総選挙を明言したことや、同氏が市場で警戒されているほど緊縮財政や金融政策正常化を志向しているわけでは無いことが明らかとなったことで、石破ショックが終焉)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による早期利上げ観測の後退(石破氏が9/29に「デフレが脱却できたと断言できない状況の中で、金利を云云かんぬんと言ってはいけないと思う」と発言)や、(2)米FRBによる早期大幅利下げ観測の後退(パウエルFRB議長が9/30に「FEDは利下げを急いでいるとは感じていない」「この先、経済がおおむね想定通りに進展すれば、政策は時間とともにより中立のスタンスへと移行するだろう」と発言)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)世界的なリスクオン再開(米主要株価指数が史上最高値更新)、(5)本邦衆議院の早期解散期待(市場が予測していたよりも早いタイミングでの解散総選挙)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

本日予定されている米9月ISM製造業景況指数や、米8月JOLT雇用動態調査が市場予想を上回る場合には、ドル円がもう一段持ち直すシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は上記以外にも、日銀短観や、日銀金融政策決定会合・主な意見、アトランタ連銀ボスティック総裁発言、クックFRB理事発言などが予定されております(中国・香港は国慶節で休場)。

本日の予想レンジ:142.50ー145.50

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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