ドル円 東京でドル続落、さらに下値リスク拡大か(9/30夕)

週明けの東京市場はドルが弱含み。141.60円台まで一時値を下げ、早くも先週安値を更新している。

ドル円 東京でドル続落、さらに下値リスク拡大か(9/30夕)

東京でドル続落、さらに下値リスク拡大か

〇本日のドル円、当初はドル買い優勢で143円近くまで買われる
〇日中高値示現後は、141.60台まで1円超下落
〇テクニカルには、基調は再び下向きにバイアス、次のターゲットは140.44
〇本日は米9月シカゴ購買部協会景気指数、ダラス連銀製造業活動指数等の発表
〇週末に発表される米雇用統計に特に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京でとどかなかった143円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、東京安値の141.65レベルをめぐる攻防にまず注目
〇ドル円予想レンジ:141.50-143.00

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はドルが弱含み。141.60円台まで一時値を下げ、早くも先週安値を更新している。

週末は、先週金曜日に決定した自民党・石破新総裁による閣僚人事が次々と発覚、次期衆院選の日程と絡め話題に。また、イスラエル軍の攻撃によりヒズボラの最高指導者ナスララ師が殺害されたことが明らかになった。
そうした状況下、ドル/円は142.20-25円で寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。月末ゴトー日ということでの需給要因なども取り沙汰され、143円近くまで買い進められたものの、日経平均の大幅安などもあり続かなかった。むしろ、日中高値を示現後はドルの反転安。141.60円台まで1円を超える下落をたどり、16時現在では小戻した142.00-05円で推移し欧米市場を迎えている。
なお、日経平均株価はザラ場で2000円を超える下落をたどり、終値ベースでも1910円の大幅安だった。

一方、材料的に注視されていたものは「本邦政局」と「イスラエル情勢」について。
前者は、先週末金曜日に次期自民党総裁として決定した石破茂氏による、党役員や閣僚人事が次々発覚している。それによると官房長官は林芳正氏の留任、財務相は総裁選で戦った加藤勝信元官房長官を起用する方針で、そのほか副総裁に菅義偉元首相、党最高顧問に麻生太郎氏の就任を打診したと伝えられていた。一方、前述加藤氏と同様に総裁選をともに戦った小林鷹之氏、高市早苗氏に入閣打診をしたが、ともに固辞されたという。そうしたなか、石破氏は会見を行い、「諸条件が整えば来月27日に解散総選挙を行いたい」と明言した。当初は11月10日選挙説などが取り沙汰されていたが、予想よりだいぶ前倒しで実施されることになりそうだ。

後者は、イスラエル首相が国連演説で「我々は野蛮な殺人者たちから自らを守らなければならない」としたうえで、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を正当化。そうしたなか、イスラエル軍は、レバノンの首都ベイルート郊外にある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆したと発表していた。また、ヒズボラの最高指導者ナスララ師殺害も明らかになっている。中東の緊張がさらに高まることは避けられない見通しが高まるなか、ローマ教皇からも「戦争においても守るべき道徳は存在する」などとしたイスラエル批判が聞かれている。一方、それとは別にバイデン米大統領が、近くイスラエルのネタニヤフ首相と協議する意向を表明。緊張緩和を働きかけるとみられるが、ネタニヤフ氏を翻意させられるといった楽観的な見通しを支持する向きはほぼいない。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末、「石破・自民党新総裁誕生」を受け142円後半まで急落したドル/円だったが、その後も下げ止まらず。前述したように、本日東京時間では一時141.60円台を示現している。わずかではあるものの、141.74円の目先サポートを下回った格好で、強いサポートは少し遠い140.44円など。同レベルを割り込むようだと、いよいよ140円割れ、16日安値の139.58円が再び視界内へと捉えられそうだ。
引き続き日米金融政策が注目を集めるなか、日銀の金利引き上げに寛容とされる石破・自民党総裁が週末のテレビ銀組で「金融緩和基調は変えない」などと発言したとして、一部で話題に。しかし、「考え方が変わった」、「変節した」といった見方をする向きは少数派。むしろ、株やなどの下落を最小限にとどめるための方便かつ火消し発言に過ぎない、といった醒めた目で見る向きが多いようだ。一方、週末の米経済指標の発表を念頭に入れつつ、本日発表の米経済指標もしっかりと注視しておきたい。

テクニカルに見た場合、一時146円台まで戻したドル/円だが、基調は再び下向きにバイアス。一足飛びに16日安値139.58円に到達するとは思わないが、そちら方向に向けたドルの下落にも注意が必要だろう。ちなみに、20日安値の141.74円をザラ場ながら下回ったことで、次のターゲットは140.44円となる。米指標の悪化などによっては、再びドルは下値模索の展開をたどる可能性も否定できない。

本日は米経済指標として、9月のシカゴ購買部協会景気指数や同ダラス連銀製造業活動指数などが発表される予定となっている。今週は週末に発表される米雇用統計がとくに注視されているが、本日の指標も内容次第では波乱要因に。また、パウエルFRB議長による全米企業エコノミスト協会での講演にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.50-143.00円。ドル高・円安方向は、本日東京でとどかなかった143円レベルが最初の抵抗。超えれば、143.30円前後に位置する移動平均の21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の141.65円レベルをめぐる攻防にまず注目。割り込むと141円割れも否定できないだろう。

東京でドル続落、さらに下値リスク拡大か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る