東京市場のドルは141円台まで下落、「石破ショック」継続でドル一段安の展開か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、「石破ショック」に伴う円買いの流れが続いたうえに、日本株も急落したことから141円台まで下落した。
昨晩の海外時間では、米8月PCE価格指数の予想以上の鈍化を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)の追加0.5%の利下げ観測が強まり、長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。その後、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を上回ったためドルは下げ止まった。一方、石破自民党新総裁が金融政策においてタカ派との見方を受けた円買いは継続し、ドル・円は142円台10銭台まで下落した。
東京時間は、石破政権の政策面での不安が先行し、株式市場では日経平均が一時2000円超下落するなどリスクオフの流れが鮮明となった。ドル・インデックスが100水準でもみ合いとなる一方、円は主要通貨に対して全面高の展開となり、9月20日以来の141円台までドルは下落した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円68銭
高値:142円96銭
安値:141円66銭
終値:141円71銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円38銭
高値:159円66銭
安値:158円18銭
終値:158円25銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円66銭
高値: 98円91銭
安値: 98円18銭
終値: 98円22銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円92銭
高値:191円30銭
安値:189円69銭
終値:189円76銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39117円83銭
高値:39126円36銭
安値:37797円91銭
終値:37919円55銭(前日比−1910円01銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時00分、欧、9月独消費者物価指数(速報、前年比)、前回:1.9%
21時00分、欧、9月独消費者物価指数(速報、前月比)、前回:−0.1%
21時50分、米、ボウマンFRB理事が講演
22時00分、欧、ラガルドECB総裁が欧州議会出席
22時45分、米、シカゴPMI、前回:46.1、市場予想:40.3
26時55分、米、パウエルFRB議長が全米企業エコノミスト協会にて講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、米政府関係者の講演等を控える一方、石破新政権の政策不透明感が先行し円高が進みそうな状況だ。
石破自民党総裁は、10月1日の臨時国会にて第102代首相に指名される見通しだ。既に10月27日に衆議院選挙を行いたいと発表しており、森山幹事長は「27日投開票のため、公示日は15日になる」と述べている。早ければ9日(水)にも衆議院は解散するとの見込みだ。
ただでさえ、11月5日に米大統領選を控えていることで読みにくい10月と言われていたなか、「石破新政権誕生」と「衆議院解散・総選挙」のダブルパンチによって、為替、株式、金利市場はしばらく動けない状況に陥った。
「高市トレード」に対するポジション解消がメインだった今日の東京市場だが、今後、「金融所得課税」など石破新政権の政策方針を見極める必要がある。衆議院選挙に勝利するため、増税など国民に厳しい政策は打ち出さないとの見方が一般的だが、一気に「破壊と創造」を進めるタイミングと見た石破氏が、法人税の増税や金融所得課税の強化などを進める可能性もあろう。市場は落としどころを掴みあぐねていることから、リスク回避の流れが強まりそうだ。
テクニカルで見ると、日足の一目均衡表では、基準線、転換線より下を推移しており、遅行スパンは下向きだ。20日移動平均線も割り込んでいることから、下向きのトレンドが強まりそうな状況にある。27日の長く大きな上影(上ヒゲ)を伴った大陰線が今後の上値抵抗として意識されよう。
今晩の海外時間も円高傾向が強まり、ドルは下落すると想定。上値メドは142円50銭、下値メドは141円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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