心理的節目145.00を突破し、約3週間ぶり高値を更新。本日は自民党総裁選に注目
〇ドル円、米指標の堅調、株式市場の堅調、自民党総裁選での高市氏優勢報道等に深夜前145.20まで上昇
〇買い一巡後はロンドンフィキシングに絡むドル売り等に144円台後半に反落
〇ユーロドル、ドル売りフローや欧州株の堅調に1.11台後半で堅調推移
〇ドル円、心理的節目145.00を突破、下位足で強い買いシグナルも点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測の後退、世界的なリスクオン再開等がドル円をサポート
〇本日自民党総裁選で高市氏勝利の場合は株高・円売りか
〇引き続きドル円相場続伸を予想
〇本日の予想レンジ:143.50ー147.00
海外時間のレビュー
26日(木)のドル円相場は堅調な値動き。(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値144.11まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想22.3万件)の良好な結果や、(4)米4ー6月期実質GDP確報値(結果+3.0%、予想+2.9%)の市場予想を上回る結果、(5)米8月耐久財受注速報値(結果±0.0%、予想▲2.7%)の市場予想を上回る結果、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力、
(7)株式市場の堅調推移(世界的なリスクオン再開→リスク選好の円売り圧力)、(8)一部メディアによる「自民党の麻生太郎副総裁が総裁選で高市早苗経済安全保障担当相を支持する意向を固めた」との観測報道が支援材料となり、日本時間23時過ぎに、高値145.20まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)ロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/27午前3時00分現在)では、144.70前後で推移しております。
26日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)欧州経済の先行き不透明感や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)米経済指標(米新規失業保険申請件数、米4ー6月期実質GDP確報値、米8月耐久財受注速報値)の良好な結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1126まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)ロンドンフィキシングに絡むドル売りフローや、(6)欧州株の堅調推移が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値1.1189まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/27午前3時00分現在)では、1.1175前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時145.20まで急伸するなど、心理的節目145.00の突破に成功しました。4時間足などの下位足で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による早期利上げ観測の後退や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)世界的なリスクオン再開など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。こうした中、本日は自民党総裁選の投開票(日本時間13時投票開始。結果判明の時間帯は未定ながら、過去の歴史を参考にするならば、単独勝利、決選投票いずれの場合も日本時間15時頃までに結果が判明する公算大)に注目が集まります。
今回の自民党総裁選は「高市氏・石破氏・小泉氏」の三つ巴の争いとなっていますが、昨日はキングメーカーとして注目される麻生太郎副総裁が高市氏を支持する意向を固めたと報じられました。高市氏はアベノミクス継承を支持しているため、高市氏勝利は株高・円売り要因と捉えられています。事実、高市氏は先日、「(日銀の金融政策運営に対して)金利を今上げるのはあほやと思う」とけん制しました。中国の金融緩和再開に端を発した世界的な株高もリスク選好の円売りの経路でドル円を構造的に下支えすると見られることから、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は9/3に記録した高値147.21を試すシナリオを想定)。尚、本日は自民党総裁選以外にも、東京区部9月消費者物価指数や、米8月PCEデフレーターなどの重要イベントが予定されております。
本日の予想レンジ:143.50ー147.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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