上昇後に反落するなど不安定な値動き。米経済指標は軒並み冴えない結果
〇ドル円、欧州序盤に144.68まで上昇後、米国時間午後にかけ143.12まで反落
〇米7月住宅価格指数、9月消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数の不冴え等が背景
〇ユーロドル、中国の金融緩和発表、米指標不冴えからの米金利低下等に、高値1.1181まで上昇
〇ドル円、21日線、基準線等を挟んで不安定な値動き続く
〇ファンダメンタルズは円キャリー再開期待、中国金融緩和からの株高期待等がドル円をサポート
〇ドル円相場が一巡後に持ち直す展開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.00ー144.00
海外時間のレビュー
24日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)植田日銀総裁による「物価上振れリスクの減少で政策判断にあたり時間的な余裕がある」との発言や、(2)上記1を背景とした日銀による早期利上げ観測の後退が支えとなり、欧州時間朝方にかけて、高値144.68(9/4以来の高値圏)まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米7月住宅価格指数(結果+0.1%、予想+0.2%)の市場予想を下回る結果や、(4)米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果98.7、予想104.0)の市場予想を下回る結果、(5)米9月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲21、予想▲12)の市場予想を下回る結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)ムーディーズによる「債務増加続けば、米国の『Aaa』格付けとの整合性はさらに低下する」との格下げの可能性を示唆するリポート発表が重石となり、米国時間午後にかけて、安値143.12まで反落しました。
引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/25午前6時30分現在)では、143.20前後で推移しております。尚、昨日はボウマンFRB理事より「インフレが依然として目標を上回っているため50bp利下げへの反対は正当化される」「慎重な利下げペースが適切」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
24日(火)のユーロドル相場は急上昇。(1)ドイツ9月Ifo期待指数(結果86.3、予想86.4)の市場予想を下回る結果や、(2)ドイツ9月Ifo現況指数(結果84.4、予想86.0)の市場予想を下回る結果が重石となり、欧州時間朝方にかけて、一時1.1104まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)中国人民銀行による大規模金融緩和の発表や、(4)上記3を背景としたリスク選好ムード再開、(5)米経済指標(米7月住宅価格指数、米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米9月リッチモンド連銀製造業指数)の冴えない結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値1.1181まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/25午前6時30分現在)では、1.1179前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は上昇後に急落するなど不安定な値動きが続いています(日足ローソク足は21日移動平均線や一目均衡表基準線を挟んで上下動)。但し、(1)日銀による早期利上げ観測の後退(植田日銀総裁は前週末金曜日の記者会見に続いて、昨日も「物価上振れリスクの減少で政策判断にあたり時間的な余裕がある」と発言)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(ボウマンFRB理事は昨日「インフレが依然として目標を上回っているため50bp利下げへの反対は正当化される」「慎重な利下げペースが適切」と発言)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)中国人民銀行による大規模金融緩和の発表(株高→リスク選好の円売り圧力)などを踏まえると、ここからずるずる値を崩すシナリオも想定しがたく、当方では引き続き、ドル円相場が一巡後に持ち直す展開をメインシナリオとして予想いたします(節目143.00を割り込む場合は、一目均衡表転換線が位置する142円台前半がサポートとして機能する見通し)。
尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米8月新築住宅販売件数が予定されております。
本日の予想レンジ:142.00ー144.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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