東京市場のドルは144円台回復、ボウマンFRB理事の講演後はドル高一服か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言で利上げを急がない姿勢が再度蒸し返されて144円台まで買われた。
昨晩の海外時間では、米8月シカゴ連銀全米活動指数が予想外のプラスに改善したほか、9月サービス業PMI速報値が予想を上回り長期金利上昇に伴いドル買いが優勢となった。その後、連邦準備制度理事会(FRB)高官が年内の追加利下げに言及し、長期金利が低下に転じたためドル買いも一方、143円台半ばでのもみ合いとなった。
東京時間では、143円台半ばでもみあっていたが、大阪経済4団体共催懇談会において、植田日銀総裁は「景気は一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復していると判断しており、先行きも緩やかな回復を続けるとみている」「名目賃金をみると、春季労使交渉の結果が反映される形で所定内給与が伸び率を高めているほか、昨年の好業績を受けて、夏季賞与もしっかりと増加している」「政策判断にあたり時間的な余裕がある」と発言。
先週末の金融政策決定会合後の記者会見とほぼ同様の内容だったが、追加の利上げ実施を急がないとの思惑が再燃したことで、ドルは144円台まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円63銭
高値:144円20銭
安値:143円38銭
終値:144円10銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円59銭
高値:160円30銭
安値:159円24銭
終値:160円19銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円16銭
高値: 98円95銭
安値: 97円99銭
終値: 98円54銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円71銭
高値:192円62銭
安値:191円34銭
終値:192円42銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38171円36銭
高値:38427円15銭
安値:37902円99銭
終値:37940円59銭(前日比+216円68銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、9月独Ifo景況感指数、前回:86.6
20時00分、欧、エスクリバ・スペイン中銀新総裁の就任式
22時00分、米、ボウマンFRB理事が講演
22時00分、米、7月住宅価格指数、前回:−0.1%
22時00分、米、7月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、前回:6.47%
23時00分、米、9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:103.3、市場予想:102.9
23時00分、米、9月リッチモンド連銀製造業指数、前回:−19
25時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、今回のFOMCで0.25%の利下げを主張したボウマンFRB理事の講演に注目が集まろう。足元のドルの高値144円45銭水準を瞬間的に上回ったことから、ドル上昇が強まる可能性はある。
日本の10年債利回りは0.805%と8月15日以来の水準まで低下した。植田日銀総裁の発言が蒸し返されて追加の利上げ実施は先との見方が先行。日米金利差がやや拡大したことで、為替はドル高円安に振れている。本日の東京時間の動きは、ボウマンFRB理事の講演に対する思惑も多少入っていそうな感じだ。FRB理事が反対したこと自体、05年9月以来と非常に珍しいFOMCだったことで、市場の関心は非常に高い。ただ、植田総裁の発言は新しい内容ではないことから、ボウマンFRB理事の講演終了後、思惑先行のドル高円安は一服する可能性はある。
テクニカルでは、20日移動平均線を上回っているほか、日足の一目均衡表では転換線、基準線より上を推移しており、遅行スパンが実線に迫っている。上昇基調に転換したというレベルではないが、144円半ばでのもみ合いが続けば、遅行スパンが実線を上回る可能性もある。反発基調が強まるか見極めたいところだ。
テクニカルでは戻りを試しそうな状況だが、ドル高円安は一服すると想定。上値メドは144円90銭、下値メドは143円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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