東京市場のドルは140円台に突入、8月CPI次第では130円台突入も視野に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀による金利引き上げ観測が強まったことから8月5日安値を割り込み140円台に突入した。
昨晩の海外時間では、米消費者物価指数(CPI)の発表を控えた調整や原油安、米8月の中小企業楽観指数の大幅低下を受けた利下げを織り込み米長期金利の低下に伴いドル売り・円買いが優勢となった。また、3年債入札が好調でさらなるドル売りにつながり、142円20銭台まで下落した。
東京時間では、中川順子日銀審議委員が、午前中に秋田市で開催された金融経済懇談会で、経済・物価が見通しに沿って推移すれば「金融緩和の度合いを調整していくことになる」などと話した。9月5日、高田創審議委員が金沢市での金融経済懇談会で講演し「経済・物価の見通しがある程度実現していけば、それに応じて(金融緩和の度合いを)段階的に調整していく」との基本姿勢を強調していたことから、中川審議委員は高田審議委員の流れをほぼ踏襲した結果となったが、市場は「利上げに前向き」と捉え、利上げ観測が強まり円は主要通貨に対して、全面高の展開に。ドルは8月5日の安値141円68銭を下回り140円台に突入した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円44銭
高値:142円48銭
安値:140円72銭
終値:141円29銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円97銭
高値:157円01銭
安値:155円50銭
終値:156円04銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 94円78銭
高値: 94円81銭
安値: 93円65銭
終値: 94円08銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円33銭
高値:186円38銭
安値:184円48銭
終値:185円07銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36029円90銭
高値:36056円87銭
安値:35253円43銭
終値:35619円77銭(前日比−539円39銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、8月消費者物価指数(前年比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
21時30分、米、8月消費者物価指数(前月比)、前回:2.9%、市場予想:2.6%
21時30分、米、8月消費者物価指数(前年比、コア)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
21時30分、米、8月消費者物価指数(前年比、コア)、前回:3.2%、市場予想:3.2%
23時30分、米、週次原油在庫、前回:−687.3万バレル
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)19日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、8月米消費者物価指数(CPI)発表を控えていることから上下に振れそうな雰囲気だ。既に東京時間で8月5日安値を割り込み140円台に突入していることから、CPIが想定以上に弱かった際は、リスク回避の円買いドル売りと、景気減速懸念に伴うドル売りが入り130円台突入も視野に入ろう。
東京時間での中川日銀審議員の発言は、7月31日の植田総裁、8月7日の内田副総裁、9月5日の高田審議委員の内容と大きな差はなかったと感じる。つまり「金融市場が落ち着いたら段階的に調整していく」ということなのだろう。さすがに9月19−20日の金融政策決定会合での追加利上げ実施はあり得ないが、年内利上げ実施の可能性が市場では強く意識されたことから、円高が加速した。
そして、注目の米大統領選挙のテレビ討論会の結果として、「ハリス氏が勝利」は63%と想定以上の差がついた。確かに、これまで通りの非難や漠然とした発言に終始したトランプ氏よりも、ハリス氏の毅然とした姿が印象に残った感はある。この結果がリスク回避の円買いを誘発した可能性も多少はあっただろう。今晩の米国株がどのような反応を示すのか要注目だ。
テクニカルでは、ドルは「二番底」を探る動きを強めている。日足の一目均衡表では、基準線、転換線ともに下向きとなっておりトレンドは弱い。8月5日安値141円68銭を下回ったことから、短期的には140円割れの攻防を迎えると想定する。
今晩のドルは、下に動きやすい地合いとなっていることから、8月CPI次第では140円の攻防を迎えると考える。上値メドは142円40銭、下値メドは139円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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