ドル円、冴えない米JOLT求人件数を受けて大幅続落。米FRBによる50bp利下げ観測再燃(9/5朝)

4日(水)のドル円相場は大幅続落。

ドル円、冴えない米JOLT求人件数を受けて大幅続落。米FRBによる50bp利下げ観測再燃(9/5朝)

ドル円、冴えない米JOLT求人件数を受けて大幅続落。米FRBによる50bp利下げ観測再燃

○ドル円、米国時間午後にかけて安値143.59まで急落、143円台後半での推移
○日経平均株価の大幅下落や、米7月JOLTの冴えない結果などが重石
○ユーロドルは堅調、米FRBによる大幅利下げ観測再燃などを支援材料に1.1096まで反発
○ドル円、日足ローソク足が主要テクニカルポイントを下抜け、地合いの悪化に要警戒
○ファンダメンタルズも米金利低下→米ドル売りの流れ再開、利下げが25bpなのか50bpなのか状況不透明
○本日の労働関連指標の結果次第で米ドル売りの流れが加速する恐れ、ダウンサイドリスクに要注意
○本日の予想レンジ:141.50ー145.00

海外時間のレビュー

4日(水)のドル円相場は大幅続落。アジア時間朝方にかけて、高値145.56まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日経平均株価の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)や、(2)短期筋の大規模ロスカット(上値の重さを嫌気したロング勢の見切り売り)、(3)米7月JOLT雇用動態調査(結果767.3万件、予想810.0万件、前回791.0万件)の冴えない結果(3年半ぶり低水準)、(4)上記3を背景とした米FRBによる大幅利下げ観測再燃(米長期金利急低下→米ドル独歩安)、(5)アトランタ連銀ボスティック総裁による「雇用に過度の悪影響を与える恐れがあるため、制限的な政策スタンスを長く維持すべきではない」とのハト派的な見解発表が重石となり、米国時間午後にかけて、安値143.59まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/5午前6時45分現在)では、143.65前後で推移しております。

4日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)株式市場の冴えない動き(世界的なリスク回避ムード再燃)や、(2)ドイツ8月非製造業PMI(結果51.2、予想51.4)の市場予想を下回る結果、(3)ユーロ圏8月総合PMI(結果51.0、予想51.2)の市場予想を下回る結果、(4)ユーロ圏8月非製造業PMI(結果52.9、予想53.3)の市場予想を下回る結果、(5)チポローネECB専務理事による「ユーロ圏のインフレ率が引き続き鈍化していることからは追加利下げが可能になる」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1040まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米7月JOLT雇用動態調査の冴えない結果や、(7)上記6を背景とした米FRBによる大幅利下げ観測再燃(米長期金利急低下→米ドル独歩安)が支援材料となり、日本時間23時45分過ぎに、高値1.1096まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/5午前6時45分現在)では、1.1083前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏7月生産者物価指数(結果+0.8%、予想+0.3%)は市場予想を大幅に上回りましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は前日9/3に記録した高値147.21をトップに反落に転じると、昨日は一時143.59まで急落しました(僅か1日で3.62円の急落)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、一目均衡表転換線、ボリンジャーミッドバンド)を下抜けした他、1時間足や4時間足などの下位足でも強い売りシグナルが再点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米7月JOLT雇用動態調査の冴えない結果を受けて、米FRBによる大幅利下げ観測が再燃するなど、米金利低下→米ドル売りの流れが再開しました。事実、CMEが提供するFed Watch Toolによると、9/18に予定されている米FOMCでの50bp利下げの織り込み度合は前日の38.0%から45.0%まで上昇するなど、ここにきて再び、25bp利下げなのか50bp利下げなのか全くわからない不透明な状況となってきております。

こうした中、本日は米国時間に発表される米国の労働関連指標(米8月チャレンジャーレイオフ調査、米ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米8月ISM非製造業景況指数の内訳の雇用指数)に注目が集まります。これらの数字が冴えない結果を示す場合には、50bp利下げの織り込み度合の高まりと共に、米金利低下→米ドル売りの流れがもう一段加速する恐れもあるため、本日はドル円相場のダウンサイドリスクに注意を要する時間帯が続きそうです(8/5に記録した安値141.69を試すシナリオに警戒)。尚、本日は上記以外にも、本邦の7月毎月勤労統計や高田日銀審議委員による発言が予定されているため、日銀による追加利上げ観測再燃→株安・円買いの流れが強まるシナリオにも警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:141.50ー145.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、冴えない米JOLT求人件数を受けて大幅続落。米FRBによる50bp利下げ観測再燃

ドル円日足

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