結果レンジ取引が続く、ただ乱高下は継続か
〇本日のドル円、一時145.85レベルまで下落するもその後ドルが急反発、147円台まで大きく値を戻す
〇相場は145-148円、あるいは145-149円といったレンジへ徐々に収斂されていく展開か
〇しかしレンジ内での乱高下の可能性はあり、荒っぽい変動はまだ続くか
〇日経平均株価はいまだ激しい上下動、本日も株価の動きに要注意
〇ドル円予想レンジは145.80-147.40、ドル高・円安方向は本日東京高値の147.35レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、目立ったサポートとなると東京安値の145.85レベルだが少し遠い
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。昨日一時145円前半へと値を崩していたが、本日東京では147円台まで値を戻している。
ドル/円は146.60円レベルで寄り付いたものの、方向性は定まらず。再び146円を割り込み145.85円レベルまで下落する局面も観測されていた。しかし、下値を確認後はドルがVの字型の急反発。あっという間に寄り付きレベルを超え、147円台まで大きく値を戻している。株価の動きなどに右往左往しつつ、16時現在でドル/円は147.00-05円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ガザ停戦交渉」と「米大統領選」について。
前者は、米大統領報道官が記者会見で、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉について、週内にエジプトで高官協議が開かれると述べるなか、ブリンケン米国務長官は中東を訪問。イスラエルでネタニヤフ首相と会談し、ガザで交戦中のイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦に向け、米国が先週示した提案をネタニヤフ氏が受け入れ、支持したことを明らかにしている。協議の進展が期待されるところだが、ロイターによるとハマス高官が仲介者に「新たなガザ停戦交渉は必要ない。実施メカニズムについて合意する必要がある」と伝えたとされるなど、微妙な齟齬もうかがえる。まだまだ油断は禁物か。
後者は、米民主党大会が22日までの日程で始まるなか、ハリス陣営は「副大統領が11月の大統領選で勝利すれば、法人税率を21%から28%に引き上げる増税案を提案する」と発表していた。共和党の大統領候補であるトランプ前大統領は、今回の大統領選において「減税恒久化」を公約として掲げており、違いは明らか。有権者らの支持をどちらが集めるのか注目だ。なお、それとは別にトランプ氏からは、保護主義を前面に押し出した「日鉄によるUSスチール買収阻止」発言が改めて取り沙汰されていたほか、ロイターのインタビューに応え「EV大手テスラのマスクCEOを閣僚などの要職に起用する考えを示した」とも伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日一時145.20円と、思いのほか下押しが入ったものの、終わってみれば146円台。そして本日東京では147円台を回復している。相場は依然として落ち着きを取り戻したと言えそうになく予断を許さないが、とは言え昨日の展開を踏まえれば145-148円、あるいは145-149円といったレンジへと徐々に収斂されていく展開か。ただ、レンジ内での乱高下の可能性はあり、そうした意味で荒っぽい変動はまだまだ続きそう。
日経平均株価は先週末にクローズベースで1300円以上も上昇したが、週明け19日はその反動もあってか一時700円を超える下落。そして本日はザラ場ベースながら一転して800円を超える上昇だ。いまだ激しい上下動をたどっている。NYダウなど米株は、それに比べれば大人しくなっているが、いまだ不安定さは残る状況だ。本日もまずは株価の動きに注意を払いたい。一方、それとは別に前述した米国務長官による中東訪問などを踏まえたガザ停戦協議の進展などについても、リスク要因としてしっかり注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は5日安値141.68円が当面の安値、同15日149.40円が当面の高値となったと考えて間違いなさそう。つまり、かなり広いが前記レベルに挟まれた8円近いあいだで次の方向性を探る展開が見込まれている。
個人的には、さらに145-148円程度をコアにしたレンジに収斂するイメージなのだが、実際のところはどうか。昨日安値145.20円を割り込むと、目先のドル下値余地が広がりかねない。
本日は米経済指標として、レッドブック週間小売売上高が発表されるものの、関心は低く基本的に影響は限られそうだ。ただ、バーFRB副議長による講演などが予定されており、要人発言には一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.80-147.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の147.35円レベルが最初の抵抗。これを超えるとテクニカルには148円台回復も否定できない。
対するドル安・円高方向は、目立ったサポートとなると東京安値の145.85円レベルだが少し遠い。146.40円レベルがサポートになるか否かにまずは注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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