ドル円、米雇用統計の大幅下方修正懸念とカナダ企業によるセブン&アイ買収報道で大幅下落(8/20朝)

週明け19日(月)のドル円相場は急反落。

ドル円、米雇用統計の大幅下方修正懸念とカナダ企業によるセブン&アイ買収報道で大幅下落(8/20朝)

米雇用統計の大幅下方修正懸念とカナダ企業によるセブン&アイ買収報道で大幅下落

〇ドル円、東京時間15時過ぎに145.19まで急落
〇日経平均の不冴え、8/21発表予定の米雇用関連指標下方修正観測、カナダからの大型買収提案等が背景
〇売り一巡後は欧米株価の上昇等に146円台半ばに反発
〇ユーロドル、欧州株堅調、米長期金利低下等に年初来高値に急伸(編集部注:米時間高値1.1086)
〇ドル円、このままずるずる下がり続ける展開は想定しづらく、149.40へ全値戻しに転じるシナリオ期待
〇ファンダメンタルズも円キャリートレードの再開期待、世界的株価持ち直し等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.00ー148.00

海外時間のレビュー

週明け19日(月)のドル円相場は急反落。アジア時間朝方にかけて、高値148.05まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(重要イベントを控えたポジション調整)や、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(3)今週8/21に公表される米労働省労働統計局(BLS)による年次改定値の暫定値(2023年4月から2024年3月までの1年間の非農業部門雇用者数)が大幅に下方修正されるのではとの憶測の広がり、(4)カナダのコンビニエンスストア大手のアリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスに対する買収提案報道(M&Aに係わるカナダ売り・円買い観測)が重石となり、日本時間15時過ぎに、安値145.19まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)や、(6)日経平均株価・先物の持ち直し、(7)欧米株の堅調推移が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間8/20午前2時30分現在)では、146.57前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「9月利下げの可能性についての議論を行うことは適切」「インフレは進展を見せており労働市場はいくつかの懸念すべき兆候を示している」との発言や、サンフランシスコ連銀デーリー総裁による「インフレは制御されており政策金利の調整を検討する時期に来ているとの確信を深めた」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

週明け19日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.1023まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧州の主要株価指数の力強い動き(リスク選好のユーロ買い圧力)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)直近高値(8/14に記録した1.1048)突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、年初来高値1.1075(昨年12/29以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/20午前2時30分現在)では、1.1072前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週8/15に記録した戻り高値149.40をトップに反落に転じると、昨日は一時145.19まで急落しました。米雇用統計の大幅下方修正懸念とカナダ企業によるセブン&アイ買収報道といったサプライズに加えて、ジャクソンホール前のポジション調整が重なったことが、ドル円急落の背景と考えられます。但し、日足ベースでやや長めの下髭を記録していることや、海外市場で株式市場が堅調さを維持していること等を踏まえると、このままずるずるドル円が下がり続ける展開は想定しづらく、比較的早いタイミングで全値戻しに転じるシナリオが期待されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測が後退していることや、(2)米FRBによる9月FOMCでの50bp利下げ観測が後退していること、(3)IMM通貨先物市場の非商業部門の取組高が2021年3月以来、約3年5カ月ぶりに円が買い越しに転じたこと、(4)上記1、2、3を背景に円キャリートレードの再開期待が高まっていること、(5)株式市場が世界的に堅調さを取り戻していることなど、ドル円相場の上昇に繋がり得る材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、今週は、8/23にジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演(※市場の焦点はパウエルFRB議長が利下げ幅に関する踏み込んだ発言を行うか否か)が予定されている他、同じく8/23に本邦衆参両院の閉会中審査で植田日銀総裁発言(※市場の焦点は植田日銀総裁が追加利上げ方針に固執するか否か)も予定されているため、週後半は日米当局者発言で市場が不安定化する恐れがある点に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:145.00ー148.00

注:ポイント要約は編集部

米雇用統計の大幅下方修正懸念とカナダ企業によるセブン&アイ買収報道で大幅下落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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