ボラタイルな相場展開が継続中。株安・円高の流れは一服するも上値は重たい
〇ドル円、米国時間朝方にかけ一時144.05まで反落、144円台前半で上値重い
〇売り遅れた勢力によるやれやれ売り、俄かロングのロスカット、日経平均先物の大幅下落等が重石
〇ユーロドル、欧州債利回り低下、中東情勢緊迫化等に1.09台前半の上値の重い展開
〇ドル円、前週来続く「株安・円高」の流れに一服感は見られるものの、上値の重い状態は不変
〇ファンダメンタルズも円キャリートレードの巻き戻し懸念、世界的なリスク回避ムードが重石
〇引き続き、ドル売り・円買い基調の継続(戻り売り優勢の展開)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.50ー146.50
海外時間のレビュー
6日(火)のドル円相場は不安定な値動きが継続。(1)急ピッチな下落に対する反動買いや、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(前日8/5に発表された米7月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことで米金利が低下幅縮小)、(3)日経平均株価の急反発(前日の大暴落劇の反動で大幅上昇)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値146.37まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)売り遅れた勢力によるやれやれ売り(戻り売り圧力)や、(5)円キャリートレード解消に伴うドル売り・円買いの継続、
(6)俄かロングのロスカット(前日海外時間以降の反発局面でロングを作った勢力によるロスカット)、(7)日経平均先物の大幅下落が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値144.05まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/7午前6時00分現在)では、144.35前後で推移しております。尚、昨日は日銀・財務省・金融庁による三者情報交換会談が実施されましたが、サプライズは特段見られませんでした(三村財務官より「経済・金融市場の動向を緊張感持って見極めていくことで一致」「為替相場の動向をしっかりと注視していくことに尽きる」との発言あり)。
6日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0963まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日海外時間以降のドル買いの流れの継続や、(2)ユーロ圏6月小売売上高(結果▲0.3%、予想+0.1%)の市場予想を下回る結果、(3)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(4)中東情勢緊迫化に端を発した地政学的リスクの高まり(イランがイスラエルへの報復攻撃を警告)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0903まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/7午前6時00分現在)では、1.0930前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日8/5に記録した約7カ月ぶり安値141.69(1/2以来の安値圏)をボトムに切り返すと、昨日は一時146.37まで持ち直しましたが、売り遅れた勢力による戻り売りに押されると、結局144円台前半まで反落する動きとなりました。前週来続く「株安・円高」の流れに一服感は見られるものの、依然として上値の重い状態は不変であると判断できます(テクニカル的にも、強い売りシグナルを示唆する「短期線と中期線のデッドクロス」「一目均衡表三役逆転」「弱気のバンドウォーク」が継続点灯中)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ(←訂正 ×利下げ)観測の高まり(7/31に開催された日銀金融政策決定会合で予想外に追加利上げが実施された他、植田日銀総裁からも更なる利上げを示唆するやや不自然なほどタカ派的な発言)や、(2)米FRBによる大幅利下げ観測(米景気減速懸念が強まる中、米FRBが不本意な形で大幅利下げに追い込まれるとの見方の浮上→年内100bp以上の利下げを織り込む動き)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの巻き戻し懸念(円キャリートレードの解消は道半ばとの見方が市場コンセンサス)、(4)世界的なリスク回避ムード(株式市場の不安定化と地政学的リスクの組み合わせ)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が残っています。
本日も昨日同様、値幅を伴う乱高下が続く可能性が高いことから、ポジション管理には細心の注意が必要でしょう(一時的に反発する局面があってもすぐに反落に転じる地合いの弱さが続いているため油断は禁物)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買い基調の継続(戻り売り優勢の展開)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:142.50ー146.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.25
東京市場のドルは154円台を回復、ベッセント氏発言がドル買い材料となるか(24/11/25)
東京時間のドル・円は、153円台まで下落していたが、次期米財務長官に指名されたベッセント氏によるドル高容認発言が伝わったことで154円台まで値を戻した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.25
ドル円 基本はレンジ見込みだが予断許さず(11/25夕)
週明けの東京市場は「行って来い」。一時ドル売りが優勢となったが底堅く、そののちVの字型の回復をたどっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2024.11.25
ドル円 もみあい継続するも動くならば下方向の調整か(週報11月第4週)
ドル円も154円割れではドル買いが出てくる展開になっていました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.08.07
ドル円見通し 大幅下落後の戻り続かず6日午前から軟調、金融市場全般はまだ波乱含み(24/8/7)
ドル円は、144円台を維持しているものの右肩下がりの展開で上値が重くなっており、すでに戻り一巡から下落再開に入っている可能性がある。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.08.06
東京市場のドルは146円台まで戻す、乱高下の余韻残りボラタイルな地合いは継続(24/8/6)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日経平均の大幅反発などを受けてリスク回避の円買いが一服、ドルは買戻し優勢の地合いとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。