ドル円、歴史的大相場で一時141円台に突入。直近1カ月で20円を超える下げ幅に(8/6朝)

週明け5日(月)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、歴史的大相場で一時141円台に突入。直近1カ月で20円を超える下げ幅に(8/6朝)

歴史的大相場で一時141円台に突入。直近1カ月で20円を超える下げ幅に

〇ドル円、日本時間午後の安値141.69から米国時間午後にかけ144.89まで反発、144円近辺での推移
〇米ISM非製造業景況指数の予想を上回る結果、シカゴ連銀総裁のリセッション否定発言等がサポート
〇ユーロドル、米長期金利急低下と欧州指標好調に一時1.10台を回復
〇ドル円、1カ月で20円超の下げ幅を記録する歴史的大相場
〇主要テクニカルポイントを下抜け、強い売りシグナルも点灯、テクニカルの地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測、世界的なリスク回避ムードがドル円を圧迫
〇戻ったところでは売り遅れた勢力による「やれやれ売り」が上値を抑える構図がもう暫く続くか
〇ドル売り・円買いトレンドの継続(戻り売り優勢の展開)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.00ー146.00

海外時間のレビュー

週明け5日(月)のドル円相場は急落後に急反発。(1)日経平均株価の大暴落(1987年10月のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅となる前営業日比4700円超安を記録)や、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力(円キャリートレードの巻き戻し継続)、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力(米景気減速懸念が強まる中、米FRBが次回9月FOMCで50bpの利下げに追い込まれるのではないかとの思惑浮上)が重石となり、日本時間15時過ぎに、安値141.69まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)や、(5)米7月ISM非製造業景況指数(結果51.4、予想51.0)の市場予想を上回る結果、(6)シカゴ連銀グールズビー総裁による「7月の雇用統計はまだリセッションの可能性を示唆していない」との発言、(7)米長期金利の低下幅急縮小が支援材料となり、米国時間午後にかけて、一時144.89まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/6午前6時30分現在)では、144.18前後で推移しております。

週明け5日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)世界的なリスクオフに端を発したユーロ円相場の大幅下落(日経平均株価の歴史的大暴落→円キャリートレードの巻き戻し→ユーロ円急落→ユーロドル連れ安)が重石となる中、日本時間15時過ぎに、安値1.0892まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力(米景気減速懸念を背景とした米FRBによる大幅利下げ観測浮上)や、(3)ユーロ圏7月総合PMI(結果50.2、予想50.1)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏6月生産者物価指数(結果▲3.2%、予想▲3.3%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1009(1/2以来、約7カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(6)米7月ISM非製造業景況指数の市場予想を上回る結果、(7)米長期金利の低下幅急縮小が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/6午前6時30分現在)では、1.0951前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は7/3に記録した高値161.99をトップに反落に転じると、昨日は一時141.69(1/2以来、約7カ月ぶり安値圏)まで急落しました。僅か1カ月で20円超の下げ幅を記録するなど、歴史的大相場が続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限、ボリンジャーミッドバンド)を軒並み下抜けしていることや、強い売りシグナルを示唆する「21日線と90日線のデッドクロス」「一目均衡表三役逆転」「弱気のバンドウォーク」が点灯していること、年始より開始したダウ理論の上昇トレンドが完全崩壊したこと(※2021年からスタートした長期上昇トレンドについては継続中)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ(←訂正 ×利下げ)観測の高まり(7/31に開催された日銀金融政策決定会合で追加利上げが実施された他、植田日銀総裁からも更なる利上げを示唆する予想以上にタカ派的な発言)や、(2)米FRBによる大幅利下げ観測(米景気減速懸念が急速に強まる中、米FRBが予防的な利下げに失敗し、不本意な形で大幅な利下げに追い込まれるとの見方の浮上)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差縮小に伴うドル売り・円買い)、(4)世界的なリスク回避ムード(円キャリートレードの巻き戻し)など、ドル円相場の更なる下落を連想させる材料が揃っています。

マーケットのボラティリティが極度に高まっているため、一時的に反発(押し目買い)は想定されるものの、テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に悪材料目白押しのため、戻ったところでは売り遅れた勢力による「やれやれ売り」が上値を抑える構図がもう暫く続くと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続(戻り売り優勢の展開)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:142.00ー146.00

注:ポイント要約は編集部

歴史的大相場で一時141円台に突入。直近1カ月で20円を超える下げ幅に

ドル円日足

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