ドル円 円高止まらず、ドル/円は下値正念場(8/2夕)

東京市場はドルが弱含み。前日安値にはとどかなかったが、それでも再び149円を割り込む局面が観測されていた。

ドル円 円高止まらず、ドル/円は下値正念場(8/2夕)

円高止まらず、ドル/円は下値正念場

〇本日のドル円、149.35レベルで寄り付き終日荒い値動き、再び149円を割り込む局面も
〇日経平均株価は本日も続落、終値の下げ幅は2000円を超え「ブラックマンデー以来の下げ幅」となる
〇ドル円相場は7/3の高値161.96から1ヵ月で13円超のドル安・円高が進行、依然下げ止まらず
〇短期的にはさすがに行き過ぎの感もあり一時的な調整もあり得るが、基本的なリスクはドル安方向
〇本日は7月米雇用統計が発表される予定、まずはその内容に要注意、市場では悪化見通しが強い
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.00-150.00、ドル高・円安方向は150円が最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向、昨日安値148円半ばをめぐる攻防に注視

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが弱含み。前日安値にはとどかなかったが、それでも再び149円を割り込む局面が観測されていた。

ドル/円は149.35円レベルで寄り付いたものの、株価の動きなどをにらみつつ終日荒い値動き。値幅だけをみれば1円弱にとどまったが、そのなかで上下になかなか激しく動く展開だった。そんな乱高下を経て、16時現在ではドル安値圏148.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日終値ベースで975円と大幅安をたどった日経平均株価は本日も続落。終値ベースの下げ幅は2000円を超えるなど、「ブラックマンデー以来の下げ幅」だったという。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「口先介入」について。
前者は、昨日東京で148円半ばまで下落したドル/円だがショートカバーなどから、そののち150円台へ。最大で2円を超える戻りを記録したが、発表された米経済指標が大きく悪化し、戻り歩調に水を差している。そののちブルームバーグも報じていたが、悪化した米指標を受け、金融市場は「年内の米利下げ3回を完全に織り込む格好」となり、市場は再びドル売り傾斜した。一方で、日銀は年内追加利上げの観測が取り沙汰されており、日米金利差がさらに縮小するとの見方が、最近の為替市場におけるドル売り・円買いを支援していることは間違いない。

後者は、ドル/円相場は7月3日の161.96円を目先高値に、1ヵ月で13円を超えるドル安・円高が進行。中長期はともかく、短期的にはさすがにやり過ぎ、行き過ぎの感があるなか、本日東京時間に林官房長官から「政府として為替市場の動向をしっかりと注視していく」とする口先介入が観測されていた。また、鈴木財務相からも「為替相場の急激な変動は企業の経営活動の不確実性高める」とのコメントが発せられている。ともに最近の円高という流れそのものを反転させることを意識したものではなく、スピードの速さを諫めるものだが、果たして効果が上げられるのか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は7月3日の161.96円を目先高値に、1ヵ月で13円を超えるドル安・円高が進行しているが、依然として下げ止まる気配がない。短期的にはさすがに行き過ぎの感もあるため一時的な調整、ドルの買い戻しまでは否定できないものの、基本的なリスクはドル安方向にバイアスだ。昨日レポートしたように、1日安値148円半ばは昨年12月安値140.26円を起点とした上昇に対するフィボナッチ61.8%押しに合致するテクニカルポイントで、しっかり下回ると下げが再び加速する可能性もある。
注目を集めていた日米の金融政策が発表されたばかりだが、市場は早くも次の会合に関心が移行している。詳細については前段を参照していただきたいが、短期的には引き続き発表される経済指標や要人の発言をめぐり、思惑が交錯する展開をたどりそうだ。そうしたなか、本日の欧米時間には7月の米雇用統計が発表される予定で、まずはその内容に要注意。市場では悪化期待が強く、逆に言えばそれだけすでに織り込まれているとも言えそうだが、それでも悪化すれば素直にドル売りで反応するとの見方も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は下値正念場だ。昨日レポートした昨年12月安値140.26円を起点とした上昇に対するフィボナッチポイント148円半ばで取り敢えずは下げ止まっており、維持されれば来週以降はしばらく小康状態をたどる可能性もある。そののち訪れる円高の第2波に向けた一時的な調整の動きも。
しかし、本日NY時間に予定される米雇用統計の発表などを受け、割り込んでしまうと足もとの動きのなかでドルはさらに下落しかねない。その場合のターゲットは3月安値の146.48円となりそう。

本日は米経済指標として、7月の雇用統計や6月の製造業受注指数などが発表される予定となっている。先でも取り上げたように、昨日発表された米指標が悪化し市場はハト派的見通しが優勢となっているだけに、それを後押しするものとなるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-150.00円。ドル高・円安方向は、本日東京で到達できなかった150円が最初の抵抗か。超えると、昨日高値の150.88円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い昨日安値148円半ばをめぐる攻防に注視。下回るとすぐに到達するということではないにせよ、145円を意識せざるを得ないだろう。

円高止まらず、ドル/円は下値正念場

ドル円日足


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