ドル円、振れを伴いながらも方向感を見出せず。市場の関心は早くも月末のBOJとFOMCへ(7/30朝)

週明け29日(月)のドル円相場は振れを伴いながらも方向感を見出せず。

ドル円、振れを伴いながらも方向感を見出せず。市場の関心は早くも月末のBOJとFOMCへ(7/30朝)

ドル円、振れを伴いながらも方向感を見出せず。市場の関心は早くも月末のBOJとFOMCへ

〇ドル円、米国時間にかけ154円台前半に反発、下値は堅いが方向感出ず
〇ユーロドル、対主要通貨でのドル買い圧力、欧州債利回り低下等に1.08台で冴えない動き
〇ドル円は重要イベント(日銀金融政策決定会合や米FOMC)控え様子見ムード強まる
〇テクニカルには、地合いの好転(売り一巡後の反発フェーズ入り)が期待される
〇ファンダメンタルズも円キャリートレードの再開期待がドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.00ー155.00

海外時間のレビュー

週明け29日(月)のドル円相場は振れを伴いながらも方向感を見出せず。日本時間朝方にかけて、高値154.36まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)本邦輸出企業の実需のドル売り(公表相場決定にかけてのスポ末・ドル売りフロー)や、(2)日銀金融政策決定会合を控えた仕掛け的なドル売り・円買い(7/30ー7/31の日程で開催される日銀金融政策決定会合で追加利上げが実施されるとの警戒感)、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、日本時間11時過ぎに、安値153.03まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日経平均株価の大幅上昇(リスク選好の円売り圧力)や、(5)重要イベント(日銀金融政策決定会合および米FOMC)を控えたポジション調整(ドル円ショートの買い戻し)、(6)対主要通貨でのドル買い圧力(米ドル指数が200日移動平均線を上方ブレイク→テクニカル的な地合いの好転)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、一時154.21まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/30午前6時30分現在)では、154.00前後で推移しております。尚、昨日発表された米7月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲17.5、予想▲14.2)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限られました。

週明け29日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0870まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)対主要通貨でのドル買い圧力(米ドル指数が200日移動平均線を上方ブレイク→テクニカル的な地合いの好転)や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)欧州株の冴えない動き、(4)欧州経済の先行き不透明感(先週発表されたユーロ圏の主要経済指標が軒並み不冴な結果)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0802まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/30午前6時30分現在)では、1.0820前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は重要イベント(日銀金融政策決定会合や米FOMC)を控え様子見ムードが強まる中、振れを伴いがらも方向感を見出すには至りませんでした。但し、米ドル指数(DXY)が200日移動平均線を上方ブレイクしたため、先週までのドル売り一辺倒の流れに変化の兆しが見え始めている点には留意が必要でしょう。ドル円についても、依然として強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」が点灯しているものの、市場参加者に意識されていた5/3安値151.87が死守できたこと(ダウ理論の上昇トレンド崩壊が阻止されたこと)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転(売り一巡後の反発フェーズ入り)が期待されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ実施の難しさ(河野太郎デジタル相や茂木敏充自民党幹事長が相次いで追加利上げを求める発言をしたことで、市場では追加利上げ観測が高まっていますが、実質賃金低下の流れが続いていることや、8月よりインフレ鈍化に繋がり得る電気・ガス料金の低減措置が図れること等を踏まえると、今月末の会合で追加利上げが決定される可能性は低い)や、(2)米FRBによる早期利下げの難しさ(市場は9月FOMCでの25bp利下げをほぼ完全に織り込んでいるが、米大統領選を控える中で、今月末のFOMCで9月利下げが宣言される可能性は市場の織り込みほど高くない)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日本の早期利上げと米国の早期利下げが過度に織り込まれ過ぎているため、日米金融政策イベント通過後は日米金利差は当面縮まらないとの失望感から、ドル買い・円売りが再開する公算大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米5月S&Pケースシラー住宅価格指数や、米6月JOLT雇用動態調査、米7月消費者信頼感指数などが予定されているものの、翌日に今週のメインイベントとして注目されている日銀金融政策決定会合と米FOMCを控えているため、様子見ムードが強まり易く、上下しつつも方向感を見出すには至らないと予想されます。

本日の予想レンジ:153.00ー155.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、振れを伴いながらも方向感を見出せず。市場の関心は早くも月末のBOJとFOMCへ

ドル円日足

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