再び155円台へ下落して7月18日安値に迫る、右肩下がりの展開続く
〇ドル円、7/23夕刻156円割り込み、7/24早朝155.51へ続落して7/18午前安値に迫る
〇ハリス副大統領出馬表明でトランプトレード的な動きが落ち着きドル高に一服感
〇本邦要人の追加利上げ要請的発言が日銀タカ派姿勢もたらすのではとの思惑で下げている印象
〇ユーロや豪ドル等の下落継続しドルストレートではドル高基調、クロス円全般で円の独歩高気配で推移
〇米10年債利回り連騰一服、7/25の米GDPや7/26の米PCEデフレーター見定めて方向性示す流れ
〇156.26超えないうちは一段安警戒、155.37割れからは155.00、154.70等を順次試す下落想定
〇156.26超えを強気転換注意とし、156.50超えからは157円目指す上昇想定、157円手前は反落警戒
【概況】
ドル円は7月11日夜と12日夜の覆面市場介入等をきっかけとして7月3日高値161.94円と7月11日未明高値161.80円をダブルトップとした下落期に入って7月18日午前に155.37円まで安値を切り下げ、19日に157.86円までいったん戻したものの22日午後に156.25円へ失速し、23日朝にかけて157円前後へ戻したところを売られて23日夕刻に156円を割り込み、24日早朝に155.51円へ続落して7月18日午前安値に迫った。底割れを回避して24日午前序盤は155.70円台へ戻している。
米大統領選でバイデン氏が出馬を取りやめてハリス副大統領が出馬表明したことにより、TV討論会や銃撃事件でトランプ氏優勢とみられていた選挙情勢が拮抗ないしハリス氏やや優勢との報道へ変わってきたために、トランプラリー的なドル高に一服感がみられたことがドル円の上値を抑えたとの見方もあるが、ユーロや豪ドル等の下落は継続してドルストレートではドル高基調にあるため、それよりも最近の河野デジタル相や茂木幹事長による日銀への追加利上げ要請的発言が来週の日銀会合でタカ派姿勢をもたらすのではないかとの思惑が勝ることでドル円の下落とともにクロス円全般が下げている印象だ。
7月23日夜に発表された米不動産業者協会(NAR)の6月中古住宅販売件数(年換算)は前月比5.4%減の389万戸となり2023年12月以来の低水準で市場予想の400万件を下回った。またリッチモンド連銀の7月製造業景況指数はマイナス17となり6月のマイナス10から悪化して市場予想のマイナス6を大幅に下回ったが、これらに対する市場の反応は鈍かった。
ECBのデギンドス副総裁が次回のECB理事会で追加利下げの是非を判断することが妥当と述べたことはユーロ売りにつながったが、ユーロドルとポンドドルは7月17日から下落し、豪ドル米ドルは7月11日から大幅下落するなどドルストレートでのドル高感は増しているものの、この間のユーロ円、豪ドル円はともに下落しており、ここ数日はやや円の独歩高気配で推移している印象だ。
【米10年債利回りは連騰一服、NYダウは小反落】
7月23日の米長期債利回りは総じて小動きだった。米大統領選でのトランプ氏優勢見通しが債券売り・利回り上昇を招いていたが、ハリス副大統領出馬表明で両者の支持率が拮抗したことでトランプトレード的な動きがやや落ち着いて25日の米GDPや26日の米PCEデフレーターを待ちたいという市場心理から利回り上昇も一服している印象だ。
長期金利指標の10年債利回りは前日比変わらずの4.25%で7月18日からの連騰が一服、30年債利回りは0.02%上昇の4.49%となり18日から4連騰したが22日の4.49%を超えていない。政策金利動向に敏感な2年債利回りは前日比0.03%低下の4.49%となり17日からの連騰で22日に4.54%まで上昇した後は失速気味となっている。
一方でNYダウは前日比57.35ドル安と反落、ナスダック総合指数も10.22ポイント安と小幅下落した。ダウは6連騰後の7月18日に41376.00ドルへ史上最高値を更新してから反落したが、4万ドル台を維持して下げ渋りの様相であり、ナスダック総合指数も7月11日の史上最高値から下落してきたものの7月19日安値から持ち直し、18000を挟んだ揉み合いに入っている。トランプトレードが一服したとの見方やNY原油が80ドル割れから続落していることで石油関連株が売られたことも上値を重くしたようだ。
米長期債利回りも米国株価指数も米GDPとPCEを見定めて方向性を示す流れと思われるが、米長期債利回りがやや上昇しても小動きのうちはドル円への影響も薄いと思われる。
【60分足、サイクル・一目均衡表分析】
ドル円は7月18日午前安値155.37円を起点としたリバウンドが7月19日午後高値157.86円で一巡して下落再開に入り、24日早朝に7月18日安値に迫った。底割れ回避かわずかに安値を更新してから156.50円を超える反騰を見せれば18日午前安値とのダブル底形成から反騰期に入るとみるが、23日夜高値156.26円を超えないうちは一段安警戒として24日の日中から25日午前にかけての間への下落を想定する。
今後の米GDPやPCE統計で反騰期に入る可能性もあるが、それらを前後して一時戻してから一段安値へ進むケースもあると注意したい。
60分足の一目均衡表では7月22日午後の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンから転落し、先行スパンへいったん潜り込んでから23日昼過ぎに再び転落している。24日午前序盤時点では両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは戻しに入るとみるが先行スパンを上抜き返せないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下落再開とみる。
60分足の相対力指数は7月22日午後の下落時に30ポイントを割り込んだが、その後の安値更新でも30ポイント割れを買われているので、50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとして20ポイント前後への低下を想定するが、50ポイント超えからは反騰期入りとみて60ポイント前後への上昇を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月18日午前安値155.37円を下値支持線、23日夜反発時高値156.26円を上値抵抗線とする。
(2)156.26円を超えないうちは一段安警戒とし、155.37円割れからは155.00円、154.70円等を順次試す下落を想定する。154.70円以下は反騰注意とするが、156円以下での推移なら25日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)156.26円超えを強気転換注意とし、156.50円超えからは157円を目指す上昇を想定する。157円手前は反落警戒とするが、156.50円を超えた後も156円台を維持しての推移なら25日も高値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の予定】
7/24(水)
15:00 (独) 8月 GFK消費者信頼感 (7月 -21.8、予想 -21.0)
16:30 (独) 7月 HOCB製造業PMI・速報値 (6月 43.5、予想 44.0)
16:30 (独) 7月 HOCBサービス業PMI・速報値 (6月 53.1、予想 53.3)
17:00 (欧) 7月 HOCB製造業PMI・速報値 (6月 45.8、予想 46.1)
17:00 (欧) 7月 HOCBサービス業PMI・速報値 (6月 52.8、予想 53.0)
17:30 (英) 7月 S&PG製造業PMI・速報値 (6月 50.9、予想 51.1)
17:30 (英) 7月 S&PGサービス業PMI・速報値 (6月 52.1、予想 52.5)
21:30 (米) 6月 卸売在庫 前月比 (5月 0.6%、予想 0.5%)
22:45 (加) カナダ中銀 政策金利 (現行 4.75%、予想 4.50%)
22:45 (米) 7月 S&PG製造業PMI・速報値 (6月 51.6、予想 51.7)
22:45 (米) 7月 S&PGサービス業PMI・速報値 (6月 55.3、予想 55.0)
23:00 (米) 6月 新築住宅販売件数・年率換算 (5月 61.9万件、予想 64.0万件)
23:00 (米) 6月 新築住宅販売件数 前月比 (5月 -11.3%、予想 3.4%)
23:30 EIA週間石油在庫統計
26:00 米財務省5年債入札
29:05 ボウマンFRB理事、ローガン・ダラス連銀総裁、イベントで開会の挨拶
7/25(木)
G20財務相・中央銀行総裁会議(7/26まで)
08:50 (日) 6月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (5月 2.5%、予想 2.6%)
17:00 (独) 7月 IFO企業景況感指数 (6月 88.6、予想 89.0)
21:30 (米) 4-6月期 GDP・速報値 前期比年率 (1-3月 1.4%、予想 1.9%)
21:30 (米) 4-6月期 GDP個人消費・速報値 前期比年率 (1-3月 1.5%、予想 1.7%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCEデフレーター・速報値 前期比年率 (1-3月 3.7%、予想 2.7%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 24.3万件、予想 24.0万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 186.7万人)
21:30 (米) 6月 耐久財受注 前月比 (5月 0.1%、予想 0.5%)
21:30 (米) 6月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (5月 -0.1%、予想 0.2%)
26:00 米財務省7年債入札
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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