ドル円、冴えない動きが継続中。心理的節目155.00を死守できるか否かに注目
〇ドル円、米国時間午後にかけ155.53まで下落。安値圏で推移
〇日銀政策決定会合を控えた円長期金利上昇、米指標不冴えと米長期金利の低下が背景
〇ユーロドル、ECB副総裁のハト派発言等に1.08台半ばで冴えない動き
〇ドル円、テクニカルには90日線、一目均衡表「雲」上限を下抜け地合いの悪化警戒される
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測、トランプトレード巻き戻しリスクが重石に
〇中長期ドル円上昇シナリオを維持しつつ、短期見通しをドル円下落に変更
〇本日の予想レンジ:154.50ー156.50
海外時間のレビュー
23日(火)のドル円相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値157.11まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)来週の日銀金融政策決定会合を控えた警戒感(先週の河野太郎デジタル相に続いて、今週は自民党の茂木敏充幹事長も「日銀は段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と発言→来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測再燃)や、(2)上記1を背景とした本邦長期金利の急上昇、(3)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(4)米7月フィラデルフィア連銀非製造業活動指数(結果▲19.1、予想+2.9)の市場予想を下回る結果、
(5)米6月中古住宅販売件数(結果389万件、予想398万件)の市場予想を下回る結果、(6)米7月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲17、予想▲7)の市場予想を下回る結果、(7)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値155.53まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/24午前6時30分現在)では、155.57前後で推移しております。
23日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間正午にかけて、高値1.0897まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測の高まり(対主要通貨で円買い圧力→ユーロ円下落→ユーロドル連れ安)や、(2)デギンドスECB副総裁による「9月は意思決定するには適した月である」とのハト派的な発言、(3)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0844まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/24午前6時30分現在)では、1.0854前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏7月消費者信頼感速報値(結果▲13.0、予想▲13.5)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は一時155.53まで下落するなど冴えない動きが続いています。日足ローソク足も90日移動平均線や一目均衡表雲上限を下抜けしており、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます。このままいけば、一目均衡表雲下限の下抜けを通じて強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」の点灯も実現するため、地合いの更なる悪化が警戒されます。7/18に記録した直近安値155.38を下抜けできれば、心理的節目155.00の下方ブレイクも視野に入るため、しばらくはダウンサイドリスクに注意が必要な時間帯が続きそうです。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の高まり(河野太郎デジタル相や茂木敏充自民党幹事長から追加利上げを求める発言あり)や、(2)米FRBによる利下げ観測の高まり(CEMのFed Watch Toolによると、9月FOMCでの25bpの利下げ織り込み度合は93.6%)、(3)上記1、2を背景とした日米金融差縮小観測、(4)トランプトレードの巻き戻しリスクなど、短期的なドル売り・円買い要因が増えつつあります。
当方は、日米金利差は当面縮まらない(円キャリートレードの優位性は残り続ける)と考えている他、トランプ氏優勢の状態も変わらないと見ているため、中長期的なドル円上昇シナリオの継続を支持していますが、足元の材料を見る限り、仕掛け的なドル円急落の可能性も否めないため、短期的な見通しをドル円下落方向に変更したいと思います(心理的節目155.00の下方ブレイクをトリガーにロング勢の大量清算を誘発するシナリオを想定)。尚、本日は米7月製造業・非製造業PMI速報値や、米6月新築住宅販売件数、米財務省5年債入札などが予定されております。
本日の予想レンジ:154.50ー156.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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