やや下値リスク高そうだが、基本はレンジか
〇ドル円、157.00-05で寄り付き高値157.10レベルを付けるも下落、前日安値を下回る156.20レベルへ
〇ドル円相場は下値不安を内包しつつもレンジ取引、先週示現した155.37が目先のボトムか
〇当面156-158円をコアとしたレンジ取引となる可能性
〇月末の日米中銀による金融政策発表に注目、指標や要人発言に一喜一憂する展開が続くか
〇欧米時間のドル円予想レンジは155.90-157.10、ドル高円安方向は157.10-20が最初の抵抗か
〇ドル安円高方向は、本日東京安値の156.20レベルをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが冴えない。前日安値156.29円を一時下回る局面も観測されていた。
ドル/円は157.00-05円で寄り付いたのち、日中高値の157.10円レベルを付けたが以降ドルは弱含み。日経新聞が報じた、前日自民党の茂木幹事長が講演で発した「金融正常化方針」に関するコメントが改めて材料視されていた、との指摘も聞かれている。前日安値をわずかに更新する156.20円レベルを示現したのち、16時現在では小戻した156.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米大統領選」と「中国情勢」について。
前者は、バイデン氏による米大統領選からの突然の撤退で金融市場もやや混乱していた感が見られたが、そのバイデン氏が後継者に選んだハリス副大統領の選挙事務所が「立候補表明から24時間で8100万ドルの政治献金を集めた」と発表するなど滑り出しは上々。また、ペロシ元下院議長など党内の重鎮や大物が相次ぎ「ハリス支持」を表明したこともあり、為替市場における混乱や行き過ぎた「もしトラ」観測がやや後退した感もある。まずは、このあと正式に指名を得られるかによるが、いずれにしろ米大統領選は引き続き予断を許さない。
後者は、福島処理水の海洋放出などを主題として日中外務次官が4年半ぶりに戦略対話を開催するなか、海江田衆院副議長は北京を訪問し、中国序列3位の趙常務委員長と会談を行ったようだ。一方、それとは別にウクライナ外務省は、クレバ外相が中国政府の招待を受けて23-25日に訪中し、王外相と二国間関係について協議すると発表している。依然として中国との関係改善などを期待する先があるなか、フィリピン外務省が、南シナ海のアユンギン礁をめぐり中国と暫定合意に達するなか、「フィリピンは南シナ海における自国の権利を主張し続ける」と改めて表明していたのは印象的だった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円相場は、下値不安を内包しつつもレンジ取引。確定までには至らないが、先週示現した155.37円がやはり目先のボトムなのだろう。その場合、しばらくは156-158円あたりをコアとしたレンジ取引か。そうしたなか、実勢相場の伸び悩みもあり、移動平均の21日線など一部のテクニカル指標が急下降をたどっていることがやや気掛かり。それでも21日線の場合には現在159円後半と、いまだ乖離は大きいが、先々再び上抜けることが出来るのか注目だ。
月末に予定されている日米中銀による金融政策発表に注目。ただ、18日付けの日経新聞で「消費下振れ、7月の利上げは無理」と報じていた日銀の政策について、自民党の茂木幹事長が「金融正常化する方針をもっと明確にする必要がある」と述べたことで、再び早期利上げ思惑が浮上していたようだ。いまだマーケットの足腰が定まらず、このあとも米国を含め指標や要人発言に一喜一憂する展開が続くだろう。加えて、米大統領選に絡むニュースなども場合によっては波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日から本日に掛けて上下に振れるやや荒っぽい変動をたどるが、結果としてレンジ内。156-158円を中心とした値動きだ。来週に日米の金融政策発表を控え、このあとも乱高下をたどる可能性はあるが、それでも基本はレンジ内か。ただ、NYクローズでは一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する156円前半がサポートになるとの見方が有力で、ドルは底堅そう。
本日は米経済指標として、7月のリッチモンド連銀製造業指数や6月の中古住宅販売件数が発表される予定となっている。また、金融大手の決算はほぼ終了したが、米企業の決算発表はこのあとも続くだけに引き続き注意を払いたい。また、米イスラエル首脳が会談する予定とされており、こちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.90-157.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含めた157.10-20円が最初の抵抗か。ただ、しっかり超えれば19日高値157.85円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の雲なども近い本日東京安値の156.20円レベルをめぐる攻防に注目。割り込むと156円割れトライか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.10.30
ドル円 基本は明日以降の材料にらみ、レンジ取引か(10/30夕)
東京市場はレンジ取引。153円台前半、40ポイントほどの小動きだった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.10.30
ドル円、153円台前半で方向感に欠ける動き (10/30午前)
30日午前の東京市場でドル円は153円台前半でのもみ合いに終始。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.10.30
ドル円見通し 衆院選後の円安一服、153円台中心で揉み合う(24/10/30)
ドル円は28日の高安レンジ内で一段高状態を維持して推移している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.07.23
東京市場のドルは156円20銭まで下落、雲上限を下回り155円台を意識する地合いか(24/7/23)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、昨日同様、円安が進行し156円20銭まで下落する展開となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.07.23
ドル円、156円台後半中心で上値の重い展開 (7/23午前)
23日午前の東京市場でドル円は157円台を売られてじり安推移。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。