ドル円、米国による対中半導体規制報道を背景に約1カ月ぶり安値圏へと大幅下落(7/18朝)

週明け15日(月)のドル円相場は下落後に反発。

ドル円、米国による対中半導体規制報道を背景に約1カ月ぶり安値圏へと大幅下落(7/18朝)

ドル円、米国による対中半導体規制報道を背景に約1カ月ぶり安値圏へと大幅下落

〇ドル円、米国の対中半導体規制強化報道、FRB関係者のハト派発言等に米国時間に156.06まで急落
〇ユーロドル、欧州朝方に1.0896まで軟化後、米国時間にかけ4か月ぶり高値1.0948まで上昇
〇ドル円、90日線、一目均衡表「雲」上限にサポートされ買いシグナルも継続、地合い崩れていない
〇日米金利差縮小の織り込み、「トランプトレード」による米金利上昇等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:155.00ー157.00

海外時間のレビュー

17日(水)のドル円相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値158.62まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)一部メディアによる「米国が対中半導体規制で最も厳格な措置を検討していることを同盟国に警告した」とのネガティブヘッドラインや、(2)上記1を背景とした株式市場の急反落(日経平均株価や米株先物が急落→リスク回避の円買い再燃)、(3)直近安値を下回ったことに伴うロング勢による大規模ロスカット、(4)神田財務官による「投機による過度な変動あれば適切に対応していくしかない」との為替介入を示唆する発言、(5)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある」とのハト派的な発言、(6)ウォラーFRB理事による「利下げが正当化される時期に近づいている」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、約1カ月ぶり安値156.06(6/12以来の安値圏)まで急落しました。

引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/18午前6時45分現在)では、156.19前後で推移しております。尚、昨日発表された米6月住宅着工件数(結果135.3万件、予想130.0万件)、米6月建設許可件数(結果144.6万件、予想140.0万件)、米6月鉱工業生産(結果+0.6%、予想+0.1%)、米6月設備稼働率(結果78.8%、予想78.4%)はいずれも市場予想を上回る結果となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。

17日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0896まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)先週来続いているドル売りの流れの継続や、(2)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある」とのハト派的な発言、(3)ウォラーFRB理事による「利下げが正当化される時期に近づいている」とのハト派的な発言、(4)ECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約4カ月ぶり高値1.0948(3/14以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/18午前6時45分現在)では、1.0939前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時156.06(6/12以来、約1カ月ぶり安値圏)まで急落するなど、冴えない動きが続いています。但し、日足ローソク足が90日移動平均線や一目均衡表雲上限にサポートされていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(上昇から下落へのトレンド転換は現時点で発生していない)と判断できます(※一方、日足ローソク足が155.85近辺に位置する一目均衡表雲上限や、155.75近辺に位置する90日移動平均線、心理的節目155.00を下回る場合には、下落トレンドへの転換が意識されるため、ロング勢による大規模清算に繋がる恐れあり)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差は当面縮まらないとの見方の広がり(米FRBによる年内2回の利下げはほぼ織り込み済みとなっているため、ここから更にドル売りにつながるためには、年内3回の利下げ織り込みが必要→米大統領選を秋に控える中で、年3回の利下げ実施は容易では無い→結果として日米金利差に着目した円キャリートレードの優位性が継続する公算大)や、トランプトレードの活発化期待(トランプ氏勝利の可能性が高まれば高まるほど、財政悪化→インフレ上昇の思惑から、米金利上昇・米ドル買いに繋がり易い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。政府・日銀による介入効果は日を追うごとに低減していくことが予想されるため(当座預金残高の見通しから推測すると、政府・日銀は7/11に3ー4兆円、7/12に2兆円規模のドル売り・円買い介入を実施した可能性が高いが、ドル円相場の押し下げ効果は限定的)、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は米経済指標(米7月フィラデルフィア連銀景況指数や、米新規失業保険申請件数、米6月景気先行指数など)に加えて、ECB理事会も予定されているため、ドル円・ユーロドル共に海外時間のボラティリティ拡大に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:155.00ー157.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米国による対中半導体規制報道を背景に約1カ月ぶり安値圏へと大幅下落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る