約38年ぶり高値更新が射程圏内に。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、米国時間午後にかけ高値161.85まで上昇
〇日経平均株価の史上最高値更新、米5月卸売売上高の好調、米長期金利の低下幅縮小等が背景
〇ユーロドル、欧州株の堅調等に1.08台前半で底堅い動き
〇ドル円、約38年ぶり高値161.99を射程圏内に捉える形、テクニカルの地合い極めて強い
〇本日21:30に発表される米6月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる
〇CPIがどちらに転んでもドル買い円売りトレンドは変わらないとの見方をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:160.75ー162.75
海外時間のレビュー
10日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値161.26まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)5・10日に伴うドル不足(実需のドル買い・円売り)や、(2)日経平均株価の史上最高値更新(リスク選好の円売り圧力)、(3)米5月卸売売上高(結果+0.4%、予想+0.3%)の市場予想を上回る結果、(4)米長期金利の低下幅縮小、(5)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値161.85まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/11午前6時30分現在)では、161.63前後で推移しております。
10日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0811まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)イタリア5月鉱工業生産(結果+0.5%、予想±0.0%)の市場予想を上回る結果、(3)欧州株の堅調推移(リスク選好のユーロ買い圧力)が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値1.0831まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/11午前6時30分現在)では、1.0829前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時161.85まで上昇するなど、7/3に記録した約38年ぶり高値161.99を射程圏内に捉える形となりました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること、1時間足や4時間足などの下位足でも買いシグナルが点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強い(心理的節目162.00突破は時間の問題)と判断できます。
こうした中、本日は日本時間21:30に発表される米6月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。パウエルFRB議長は2日に亘る議会証言の中で、「利下げを決定するためにはインフレが2%に向かっているというさらなる確信が必要」とのスタンスを強調しました。市場参加者の中では、今回発表される米6月CPIが市場予想を下回る結果となれば、8/22ー8/24に予定されているジャクソンホール会議での利下げ地均しを経て、9/17ー9/18の米FOMCでの利下げ実施が現実味を帯びるシナリオ(米金利低下→米ドル売り)が浮上するとの声が増えつつあります。
但し、11/5に米大統領選の投開票日を控える中で、その直前にあたる9月FOMCで利下げを実施するハードルは相応に高いと思われる他、そもそも9月FOMCで利下げを行ったとしても、日米金利差が一気に縮まるわけはないため、円キャリートレードの優位性は当面の間変わらず、またトランプ前大統領の勝利確率が高まる場面では、財政悪化→インフレ上昇の思惑から、米金利上昇→米ドル買いを誘発する恐れもあるため、今回のCPIがどちらに転んでも、ドル買い・円売りトレンドは変わらないとの見方をメインシナリオとして予想いたします(米CPIが市場予想を上回ればドル円が162.00の大台を突破するシナリオを想定。米CPIが市場予想を下回る場合は一時的にドル円が下落するも、下がったところでは怒涛の押し目買いに下支えされる形ですぐに反発に転じるシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:160.75ー162.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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