東京市場のドルは161円台回復、パウエルFRB議長は「ハト派」色を強めるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株上昇を受けてややリスク選好の地合いとなり円売り基調が強まったことで161円台を回復した。
昨晩の海外時間では、先週発表された米6月雇用統計の結果を受けた連邦準備制度理事会(FRB)の年内の早期の利下げを織り込むドル売りが継続した。6月NY連銀の短期のインフレ期待も2カ月連続で鈍化し、利下げを後押しする結果となった。その後、消費者物価指数(CPI)や、パウエルFRB議長証言を警戒し下げ止まった。なお、警戒されたフランス選挙の結果を受けて、為替、株式、債券市場ともに小動きと影響は限定的となった。
東京時間では、株式市場で日経平均やTOPIXが大幅高となったことでリスク選好の地合いがやや強まったことから、投機筋が円売りポジションを積み上げたとの観測。ドルは161円13銭と昨日の高値161円12銭を上回る場面が見られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:160円79銭
高値:161円13銭
安値:160円74銭
終値:160円91銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:174円07銭
高値:174円45銭
安値:174円05銭
終値:174円24銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:108円33銭
高値:108円56銭
安値:108円31銭
終値:108円50銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:205円96銭
高値:206円30銭
安値:205円90銭
終値:206円12銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40953円41銭
高値:41769円35銭
安値:40942円44銭
終値:41580円17銭(前日比+799円47銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、日、日銀「債券市場参加者会合」開催(証券)
18時00分、欧、チポローネECB理事がデジタルユーロについて講演
22時15分、米、バーFRB副議長が金融包摂について講演
23時00分、米、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で議会証言
26時30分、米、ボウマンFRB理事が金融包摂について講演
※日銀「債券市場参加者会合」(銀行)は15時45分から開催
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、パウエルFRB議長の議会証言に注目が集まる、本日の東京市場では、米国では足元インフレ鈍化傾向が強まっていることで「9月利下げ開始を織り込ませる発言をするのではないか?」との見方が強まっており、金利低下に伴う米国株上昇を先取りする地合いとなり日経平均は大幅高となった。
6月に発表された5月CPIやPCEデフレータは前月比では伸びが鈍化したことから、足元のデータでは高いインフレは緩やかな鈍化傾向にある。先週のパウエルFRB議長の「インフレが再び鈍化傾向にある」の根拠はこれらのデータと推測する。
今晩の議会証言は、6月のCPI(11日)、PPI(12日)発表前ではあるが、先週の弱い雇用関連のデータがアップデートされた状況下のため、パウエルFRB議長の発言が先週より「ハト派」色を強める可能性は十分ある。仮に、議会証言後に長期金利が直近最も低かった4.2%水準を下回る状況となれば、主要ハイテク株への刺激材料となり、ナスダック、S&P500は史上最高値を更新する公算大だ。
ただ、時間外の米10年債利回りは4.28%水準と目立った動きは見られず。東京市場だけがパウエルFRB議長の議会証言を先取りした格好のため、パウエルFRB議長が慎重な発言に留まった場合、日本株は「往って来い」となる可能性はあるので株式市場の動向にはやや注意したいところ。一方、ドルは思惑的な売買が入っていないことから、パウエルFRB議長の発言が慎重な内容に留まったとしても、さほど為替は動かないと考える。今晩の上値メドは161円60銭、下値メドは160円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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