ドル円、重要イベントを控え方向感見出せず。本日はパウエル議長の半期に一度の議会証言に注目(7/9朝)

週明け8日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。

ドル円、重要イベントを控え方向感見出せず。本日はパウエル議長の半期に一度の議会証言に注目(7/9朝)

重要イベントを控え方向感見出せず。本日はパウエル議長の半期に一度の議会証言に注目

〇ドル円、本邦実質賃金低下等に欧州時間朝方にかけて高値161.12まで反発
〇買い一巡後は、パウエルFRB議長議会証言前のポジション調整、米金利低下等に160円台後半に反落
〇ユーロドル、仏政局不透明感から週明け1.0802まで下落後、欧州株堅調等に1.08台前半を反発
〇ドル円、方向感を見出すに至らず、但しテクニカルの地合い強い
〇日銀の追加利上げ観測後退、FRB引き締め長期化観測もドル円をサポート
〇本日は日本時間23:00のパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言に注目集まる
〇引き続きドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:160.00ー162.00

海外時間のレビュー

週明け8日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。前週末金曜日以降のドル売り・円買いの流れを引き継ぐ形で、アジア時間朝方にかけて、安値160.26まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)日本時間朝方に発表された本邦5月毎月勤労統計調査の実質賃金が前月の▲1.2%を下回る▲1.4%を記録したこと(実質賃金のマイナスは26ヵ月連続)や、(2)上記1を背景とした日銀による追加利上げ観測後退、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、欧州時間朝方にかけて、高値161.12まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)重要イベント(パウエルFRB議長の議会証言など)を控えたポジション調整や、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/9午前6時10分現在)では、160.80前後で推移しております。

週明け8日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)週末7/7に投開票されたフランスの国民議会選挙で事前予想に反して左派連合が第1党となる見通しとなったことや、(2)上記1を背景としたフランスの財政悪化懸念(左派連合の新人民戦線は財政拡大を主張)および政局不透明感(いずれの勢力も過半数に届かないハングパーラメント顕在化)が重石となり、週明けシドニー時間に、安値1.0802まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)前週末金曜日以降のドル売りの流れの継続や、(4)オランダ中銀クノット総裁による「次回利下げは7月ではなく9月の見込み」との7月利下げの可能性を否定する発言、(5)欧州株の堅調推移が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0845まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/9午前6時10分現在)では、1.0825前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏7月投資家信頼感指数(結果▲7.3、予想▲0.5)は市場予想を大幅に下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は重要イベントを控え様子見ムードが強まる中、方向感を見出すには至りませんでした。但し、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(重要イベント通過後に再び上放れに転じる公算大)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の後退(先週発表された本邦1ー3月期実質GDP確報値が▲1.8%から▲2.9%へ下方修正されたことや、昨日発表された本邦5月毎月勤労統計調査が前月の▲1.2%を下回る▲1.4%へ落ち込んだこと等を踏まえると、7月の日銀政策決定会合で追加利上げが実施される可能性は乏しい)や、(2)米FRBによる金融引き締め長期化観測(不冴な米経済指標が続いているが、余程強い確信を得ない限り、米大統領選前のタイミングで利下げが実施される可能性は乏しい)、

(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレードの継続期待)、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退、(5)米大統領選を巡るトランプ氏優勢報道(共和党のトランプ前大統領が優勢となれば、財政悪化→インフレ上昇の思惑から米金利上昇→米ドル買いに繋がり易い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で日本時間23:00に発表されるパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言に注目が集まります。ここ最近の米経済指標の減速ぶりを踏まえれば、ややハト派寄りのスタンスを滲ませてくる可能性はあるものの、ハト派寄りの発言は、米株上昇→インフレ再上昇の経路で、米大統領選への悪影響が出てくる恐れもあるため、基本的には市場に過度な利下げ期待を与えないようなバランスの取れた発言に終始すると考えられます。市場はハト派寄りの発言を期待していると見られるため、バランスの取れた発言はやや期待外れに映り、米金利上昇→米ドル買いに繋がりそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:160.00ー162.00

注:ポイント要約は編集部

重要イベントを控え方向感見出せず。本日はパウエル議長の半期に一度の議会証言に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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