ドル円 米雇用統計に注目、内容如何では基調転換も(7/5夕)

東京市場はドルが弱含み。一時160円半ばまで下落し、7月の最安値を更新している。

ドル円 米雇用統計に注目、内容如何では基調転換も(7/5夕)

米雇用統計に注目、内容如何では基調転換も

〇本日のドル円、日中高値161.40レベルを示現するも徐々に値を崩し161円割れ、一時160円半ばへ続落
〇ドル円相場は調整の動き、まだ基調が転換したとは言えないが、今夜発表される米雇用統計次第か
〇160円を割り込めば黄信号が点灯、ドルの下値余地が一気に広がりかねない、ドル大幅続落の可能性も
〇米雇用統計の内容に要注意、数字次第では発表前後の金融市場は波乱含みに
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは159.50-161.80、ドル高・円安方向は161.40レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、160.30レベル、そして160円が強いサポート

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが弱含み。一時160円半ばまで下落し、7月の最安値を更新している。

ドル/円は161.25円レベルで寄り付いたのち、しばらくは底堅い。一連の過程で日中高値161.40円レベルを示現している。しかし、徐々に値を崩すと161円割れ。それでも下げ止まらずに一時160円半ばまで続落となった。トータル90銭ほどと、なかなか大きな変動を記録。16時現在ドル/円は安値圏の160.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「欧州政治情勢」について。
前者は、カザフスタンで開催された中露主導の地域協力組織「上海協力機構(SCO)」サミットにおけるプーチン露大統領の言動などが思惑を呼ぶ。中国の習国家主席と会談したうえで、ユーラシア地域の国々のあいだで安全保障・政治・経済面での協力を強化すべきとの見解を表明するなか、サミット総括会見で「世界の安定と安全を支えていた基本文書は米国によって破棄された」と責任転嫁。また、核兵器を搭載可能な中・短距離ミサイルの生産準備ができているとも述べ、米国を威嚇する姿勢も観測されていた。

対して後者は、週末7日に実施されるフランス国民議会(下院、577議席)総選挙の決選投票で、ルペン氏が事実上率いる極右「国民連合(RN)」は過半数議席を獲得できない見通しだと伝えられ、一部で話題に。為替市場においては一時的なユーロの支援要因となっていたようだ。一方、4日に投開票が行われた英総選挙は、最大野党・労働党が下院650議席のうち400議席、つまり過半数以上を確保する見通しと伝えられ、14年ぶりとなる政権交代が事実上決定したようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

足もとのドル円相場は調整の動きが先行。162円にはとどかず反落に転じると、160円半ばまで値を崩している。まだ基調が転換したとは言えないものの、それもこのあと発表される米雇用統計次第か。160円を割り込めば黄信号が点灯、ドルの下値余地が一気に広がりかねない。移動平均の21日線が位置する159円手前をメドに、ドルは大幅続落をたどる可能性もある。
依然として日米金融政策が注視されるなか、発表される米経済指標が冴えないこともあり、米利下げについて弱気ムードが強まりつつあるようだ。そうしたなか、本日はこのあと発表される米雇用統計の内容にまずは要注意。もちろん数字如何だが、発表前後の金融市場は波乱含みに。また、前述したように週末7日にフランス国民議会総選挙の決選投票が実施される見通しだ。週明けのユーロ相場にも、一応注意を払っておきたい。

テクニカルの観点を踏まえ、昨日ドル/円相場の風向き変化の兆しを指摘したが、ドルは本日東京時間にも続落し、懸念はさらに強まった。160円をしっかり割り込めば黄信号が点灯することになる。ちなみに、5月安値151.86円を起点とした上げ幅のフィボナッチ23.6%戻しは159.60円レベルだ。
ただし、ドル上値トライの機運が完全に潰えたわけではない。162円を超えれば、中期的なターゲットは引き続き165円となりドル高基調も継続に。

本日は米経済指標として、注目の6月雇用統計発表が予定されている。ちなみに、うち失業率は前月と同じ4.0%、非農業部門雇用者数は前回から悪化したプラス19万人程度が見込まれているようだ。また市場では予想より、ややネガティブな見通しを取り沙汰する声もあるが、果たしてどの程度の数値となるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは159.50-161.80円。ドル高・円安方向は、まずは本日高値161.40円レベルの攻防に注目。超えると162円レベルが再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、6月末につけた160.30円レベル、そして160円は強いサポートながら、下回るとストップロスを巻き込みつつ、大きく値を下げる可能性も。移動平均の21日線が位置する159円近くまで一気に値を下げる展開もあり得る。

米雇用統計に注目、内容如何では基調転換も

ドル円日足


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