ドル円、米独立記念日で商い閑散。本日は今週のメインイベントの米雇用統計に注目
○ドル円、アジア時間午後にかけて161.62まで上昇後、米国時間朝方にかけて160.95まで反落
○約38年ぶり高値圏の前日161.99を背にした戻り売り圧力、米雇用統計を控えたポジション調整が重石に
○ユーロドル、仏政治を巡る過度な警戒感の後退などを支援材料に1.0814まで上昇
○サプライズ的な為替介入を警戒する声が挙がっていたものの、政府によるドル売り介入は実施されず
○本日は米6月雇用統計に要注目
○不冴な結果ならドル売りで反応する可能性、ポジティブサプライズなら162.00突破もあり得ると推測
○本日の予想レンジ:160.50ー162.50
海外時間のレビュー
4日(木)のドル円相場は上値の重い展開。(1)日経平均株価の堅調推移(日経平均株価が5日続伸→リスク選好の円売り圧力)や、(2)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待が支援材料となる中、アジア時間午後にかけて、高値161.62まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)前日高値161.99(約38年ぶり高値圏)を背にした戻り売り圧力や、(4)重要イベント(7/5に発表予定の米6月雇用統計)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値160.95まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米独立記念日(米株・米債市場が休場)の影響で商い閑散となり、本稿執筆時点(日本時間7/5午前5時45分現在)では、161.25前後まで持ち直す動きとなっております。
4日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間正午にかけて、安値1.0783まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前日海外時間以降のドル売りの流れの継続や、(2)フランス政治を巡る過度な警戒感の後退(欧州株上昇→リスク回避ムード後退→ユーロ買い)、(3)レーンECB専務理事兼主任エコノミストによる「インフレに対する警戒感は残存」とのタカ派的な発言、(4)ECB理事会議事要旨における「一部メンバーがインフレの根強さに警戒感」とのタカ派的な見解発表、(5)ラガルドECB総裁による「インフレには引き続き警戒が必要」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0814まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/5午前5時45分現在)では、1.0810前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時160.95まで反落するも、引けにかけて161.25近辺まで値を戻しました。神田財務官の為替介入スタイルが「市場参加者が油断している流動性が乏しい時間帯をつく」というものであったため、昨日の米独立記念日についても、一部でサプライズ的な為替介入を警戒する声が挙がっていましたが、結局ドル売り介入は実施されませんでした。イエレン米財務長官による度重なる為替介入に対する牽制発言や、米財務省による監視リストへの日本追加の影響は想像以上に大きいものと推察されます。結果として、日米金利差に着目したドル買い・円売り(円キャリートレード)が意識され易く、ドル円は今後も上昇基調が続くと予想されます。
尚、本日は米6月雇用統計に注目が集まります。このところ米経済指標の不冴な結果が相次いでいるため、本日発表される米雇用統計についても、市場の目線は下がっています。従って、米雇用統計が冴えない結果を示す場合には、直後はドル売りで反応する可能性があるものの、そのタイミングが絶好の買い場となりそうです(織り込み済みの押し目買い)。一方、市場予想を上回るポジティブサプライズが見られる場合には、米利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路でドル円に強い上昇圧力をもたらしそうです。状況次第では、心理的節目162.00の突破もあり得ると見ています。尚、本日は米国の祝日明けのタイミング(市場参加者が戻ってくるタイミング)でもあるため、ボラティリティの拡大にも警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:160.50ー162.50
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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