ドル円、冴えない米経済指標を受けても尚、底堅さを維持。ドル買い・円売りトレンドの継続を示唆(7/4朝)

3日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、冴えない米経済指標を受けても尚、底堅さを維持。ドル買い・円売りトレンドの継続を示唆(7/4朝)

冴えない米経済指標を受けても尚、底堅さを維持。

〇ドル円、欧州勢参入後に約38年ぶり高値161.99まで上昇後、安値160.78まで急落
〇ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数、製造業受注等の米指標が軒並み悪化
〇売り一巡後は押し目買いの動き強く、161円台後半を回復
〇ユーロドル、米金利の急低下等に米国時間朝方1.0817まで上昇
〇ドル円、下げ局面では押し目買いが出る構図不変、地合い極めて強い
〇1986年11月に記録した高値164.50を早期に試すシナリオを予想
〇本日は米国が独立記念日で休場、動意に欠ける静かな動きとなるか
〇本日の予想レンジ:161.00ー162.50

海外時間のレビュー

3日(水)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(2)日米金利差に着目したドル買い・円売り、(3)前日高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支えとなり、欧州勢参入後に、約38年ぶり高値161.99まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)心理的節目162.00を背にした戻り売り圧力や、(5)米6月ADP全米雇用報告(結果15.0万人、予想16.0万人)の市場予想を下回る結果、(6)米新規失業保険申請件数(結果23.8万件、予想23.5万件)の冴えない結果、(7)米6月ISM非製造業景況指数(結果48.8、予想52.7)の市場予想を下回る結果、

(8)米5月製造業受注指数(結果▲0.5%、予想+0.2)の市場予想を下回る結果、(9)上記5、6、7、8を背景とした米FRBによる早期利下げ観測再燃(米金利低下に伴うドル売り圧力)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値160.78まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(10)下落局面を待ち構えていた勢力による怒涛の押し目買いが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/4午前6時00分現在)では、161.75前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表された米FOMC議事要旨では、「利下げへの確信得るための追加情報を待つ」「多くの当局者は経済成長の漸進的冷え込みを認識」「5月CPIはインフレ進展のさらなる証拠を示唆」等の見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。

3日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間午後にかけて、安値1.0736まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧州株の堅調推移(フランスの決選投票を巡る過度な警戒感の後退)や、(2)ユーロ圏6月総合PMI(結果50.9、予想50.8)の市場予想を上回る結果、(3)米経済指標(米6月ADP全米雇用報告、米新規失業保険申請件数、米6月ISM非製造業景況指数、米5月製造業受注指数)の冴えない結果、(4)上記3を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0817まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/4午前6時00分現在)では、1.0785前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏5月生産者物価指数(結果▲4.2%、予想▲4.1%)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。また、カマーIMF欧州局長より「最新のユーロ圏インフレ指標はさらなる利下げ余地があることを示している」との発言が見られた他、ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁からも「最近のデータは、もう少し利下げを行うべき根拠を強めた」「今年さらに2回の利下げは妥当」との発言が見られましたが、こちらもユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時161.99まで上昇するなど、約38年ぶり高値を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(事実、昨日は161.99を記録した後に一時160.78まで急落するも、すぐに161円台後半へと持ち直すなど力強さを再確認→下落時に怒涛の押し目買いが出てくる構図は不変)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(弱い米経済指標が出てもドル売り・円買いでの反応は限定的→日米金利差は当面縮まらないとの見方が市場コンセンサス→ドル円ロングに安心感)や、政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官による牽制や米財務省による監視リスト追加の影響を受けて、政府・日銀はドル売り介入に踏み切ることが出来ない状態)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(1986年11月に記録した高値164.50を早期に試すシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。

但し、本日は米国が独立記念日で休場となる他、今週のメインイベントとして注目されている米6月雇用統計を翌日に控えていることもあり(様子見ムードが広がり易いため)、1日を通して動意に欠ける静かな動きとなりそうです。

本日の予想レンジ:161.00ー162.50

冴えない米経済指標を受けても尚、底堅さを維持。

ドル円日足

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