ドル円、約38年ぶり高値を一段と更新。ドル買い・円売りの流れが一向に止まらず(7/2朝)

週明け1日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、約38年ぶり高値を一段と更新。ドル買い・円売りの流れが一向に止まらず(7/2朝)

約38年ぶり高値を一段と更新。ドル買い・円売りの流れが一向に止まらず

〇ドル円、米長期金利上昇等に米国時間午後にかけ161.74まで急伸、高値更新
〇ユーロドル、仏極右予想ほど得票伸びず、欧州朝方1.0776まで上昇、1.07台半ばの推移
〇ドル円、38年ぶり高値を更新、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも、介入警戒感の後退、円キャリートレードの長期化期待等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:161.00ー162.50

海外時間のレビュー

週明け1日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値160.65まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り)、(3)政府・日銀による介入警戒感の後退(ドル円が161円台へと上昇しているにも係わらず為替介入が実施されなかったことに対する安堵感→円売り安心感)、(4)先週末金曜日高値161.28突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(5)ロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値161.74(約38年ぶり高値圏)まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/2午前6時10分現在)では、161.50前後で推移しております。尚、昨日発表された日銀短観(大企業製造業が3月調査時点の+11から+13へと2ポイント改善)は良好な結果となりましたが、円買いでの反応は限られました。また、海外時間帯に発表された米6月製造業PMI(結果51.6、予想51.7)および、米6月ISM製造業景況指数(結果48.5、予想49.1)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は一時的なものに留まりました。

週明け1日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)週末に実施されたフランス下院選挙でマリーヌ・ルペン氏率いる極右連合「国民連合(RN)」が第1勢力となりつつも、予想されたほど得票率が伸びなかったことに対する安堵感(決選投票に向けて与党連合と左派連合が組むことでRNに対抗できるとの見方が広がったこと)や、(2)上記1を背景としたフランス国債のリスクプレミアム低下、(3)フランス株の堅調推移が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0776まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ドイツ6月消費者物価指数速報値(結果+2.2%、予想+2.3%)の市場予想を下回る結果や、(5)ロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0720まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/2午前6時10分現在)では、1.0740前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は約38年ぶり高値を更新し、一時161.74まで急伸しました。下位足から上位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルと示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立しており、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週末金曜日に発表された米PCEデフレータや、昨日発表された米ISM製造業景況指数が市場予想を下回っているにも係わらず、ドル売りでの反応は殆ど見られず→経済指標がどうであれ米大統領選前に利下げを行う可能性は低いと見られることから、年内利下げ見送り観測が根強く残存→米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による追加利上げの見送り観測(昨日公表された日銀短観は力強い結果となったものの、7月会合での追加利上げ期待の醸成には繋がらず→7月会合は国債買い入れ減額に留まる見通し)、

(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの長期化期待、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退(ドル円が約38年ぶり高値圏へと急伸しているにも係わらず、政府・日銀は実弾介入に踏み切れず→イエレン米財務長官が日本の為替介入を複数回にわたり牽制したことや、米財務省が外国為替報告書の中で日本を「監視リスト」に追加したこと等が為替介入の決断を躊躇させている背景との見方が市場コンセンサス)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(※政府・日銀による実弾為替介入の実施や、日経新聞や時事通信などを通じた日銀の追加利上げを示唆するリーク報道などが出てこない限り、ドル買い・円売りの流れは止まらない可能性大)。尚、本日はパウエルFRB議長やラガルドECB総裁のECBフォーラム(開催地ポルトガルのシントラ)でのパネル討論会や、米5月JOLT雇用動態調査に注目が集まります。

本日の予想レンジ:161.00ー162.50

注:ポイント要約は編集部

約38年ぶり高値を一段と更新。ドル買い・円売りの流れが一向に止まらず

ドル円日足

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