約38年ぶり高値圏で一進一退。本日は米5月PCEデフレータがメインイベント
〇ドル円、米国時間に160円台後半に持ち直し、160.79台での推移
〇米1QGDP価格指数、コアPCEの予想を上回る結果、米新規失業保険申請件数の良好な結果等が背景
〇ユーロドル、米金利低下、欧州債利回り上昇等に1.07台を回復、対円では初の172円乗せ
〇ドル円、38年ぶり高値圏で一進一退、テクニカルの地合いは極めて強い
〇ファンダメンタルズも、介入警戒感の後退、円キャリートレードの長期化期待等がドル円をサポート
〇本日21:30に発表される米5月PCEデフレータに注目集まる
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:160.00ー161.50
海外時間のレビュー
27日(木)のドル円相場は高値圏で一進一退。アジア時間早朝にかけて、高値160.88(1986年12月以来、約38年ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)政府・日銀による為替介入警戒感(鈴木財務相による「高い緊張感を持って必要な対応をとっていく」との円安牽制発言や、林官房長官による「為替相場の過度な変動には適切な対応をとる」との円安牽制発言)、(3)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値160.30まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米1ー3月期GDP価格指数(結果+3.1%、予想+3.0%)の市場予想を上回る結果や、(6)米1ー3月期コアPCE(結果+3.7%、予想+3.6%)の市場予想を上回る結果、(7)米新規失業保険申請件数(結果23.3万件、予想23.5万件)の良好な結果、(8)米5月耐久財受注(結果+0.1%、予想▲0.5%)の市場予想を上回る結果が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/28午前5時20分現在)では、160.78前後まで持ち直す動きとなっております。
27日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0677まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買いや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(4)6/30に予定されているフランス総選挙を控えたポジション調整、(5)スロバキア中銀カジミール総裁による「年内あと1回の利下げを予想している」との複数回の利下げに慎重な発言が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0726まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/28午前5時20分現在)では、1.0705前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は約38年ぶり高値圏での一進一退が続いています。上位足(日足・週足)から下位足(4時間足)に至る全てのテナーで強い買いシグナル(「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」)が成立しており、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待(米FRBによる年内利下げ見送り説も台頭する中、日米金利差は当面縮まらないとの見方が市場コンセンサス→ドル円ロングやクロス円ロング保有に安心感)や、政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官が日本の為替介入を牽制している他、米財務省も外国為替報告書の中で日本を「監視リスト」に追加→余程強烈な円売り圧力が発生しない限り、政府・日銀が為替介入に踏み切る可能性は低い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
こうした中、本日は21:30に発表される米5月PCEデフレータに注目が集まります。市場予想を上回る結果が示されれば、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁や、ボウマンFRB理事が示唆する通り、米FRBによる年内利下げ見送り観測の台頭を通じて、米金利上昇→米ドル買いの流れが一段と強まるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米5月PCEデフレータ以外にも、東京区部6月消費者物価指数や、米6月シカゴ購買部協会景気指数、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数、リッチモンド連銀バーキン総裁講演、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演、ボウマンFRB理事講演などが予定されております。
本日の予想レンジ:160.00ー161.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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