東京市場のドルは160円50銭水準でのもみ合い、引き続き円安の流れは変わらず
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、円安ドル高進行は一服したが、160円台半ばでのもみ合いが続いた。
昨晩の海外時間では、米国は利下げを急がないとの見方が広がり、4月29日のドル高値160円17銭を上抜けたことを受けて、ドル買い・円売り先行の地合いとなった。神田財務官の円安けん制発言が伝えられて、いったん160円付近へ押したものの、口先介入の効果は限定的。ドル買い・円売りが再開されて160円台後半までドルは一段高となった。米10年債利回りは4.31%台まで上昇した。
東京時間では、鈴木財務大臣による円安けん制発言を受けて、積極的な円売りドル買いは手控えられたが、口先介入による効果は限定的との見方から160円40−50銭でのもみ合いに終始し、円買いドル売りが強まるムードはほぼ見られなかった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:160円70銭
高値:160円72銭
安値:160円30銭
終値:160円40銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:171円64銭
高値:171円65銭
安値:171円39銭
終値:171円57銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:106円83銭
高値:106円94銭
安値:106円64銭
終値:106円94銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:202円83銭
高値:202円83銭
安値:202円51銭
終値:202円73銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39434円47銭
高値:39439円24銭
安値:39193円51銭
終値:39341円54銭(前日比−325円53銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、カジミール・スロバキア中銀総裁が講演
18時00分、欧、6月ユーロ圏景況感、前回:96.0、市場予想:96.0
18時30分、英、英中銀金融安定報告・議事要旨公表
19時00分、豪、ハウザー豪中銀副総裁が経済フォーラム出席
20時00分、ト、トルコ中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%
21時30分、米、第1四半期実質GDP(確報値・前期比年率)、前回:1.3%、市場予想:1.5%
21時30分、米、5月卸売在庫(速報値)、前回:0.1%、市場予想:0.1%
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:23.8万件、市場予想:23.4万件
21時30分、米、5月耐久財受注(速報値・前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.1%
21時30分、米、5月耐久財受注(輸送除くコア・速報値・前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.1%
23時00分、米、5月中古住宅販売成約件数(前月比)、前回:−7.7%、市場予想:1.0%
28時00分、メ、メキシコ中銀政策金利
米大統領選第一回テレビ討論会
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、各国中銀による金融政策に注目も集まるが、米国経済指標の発表が売買材料となろう。円売りドル買いの流れが強まっていることから、161円台を意識した展開となる可能性も十分ある。
昨夜の神田財務官、そして、本日の鈴木財務大臣による円安けん制発言の効果は数時間動きを抑える程度に留まると考える。両者によるこれ以上の口先介入はないことから、後は植田日銀総裁ぐらいか。植田日銀総裁も円安けん制発言を行った際、神田財務官や鈴木財務大臣よりは円安ドル高の進行はゆっくりになると考える。
ただ、7月末の日銀金融政策決定会合に向けて、国債買い入れ減額のスケジュールの公表の準備を行っているなか、仮に植田日銀総裁から足元の円安推移に踏み込んだ話があった場合、着実な「金融政策の正常化」というポジティブな見方よりも、「日銀も目先の「円安対策」に躍起になっている」といったイメージが先行しそうだ。
日本経済を考えると適切な対応かもしれないが、「為替政策は財務相、金融政策は日銀」という区切りが曖昧になることは植田日銀総裁も渋々といった感じはする。
とはいえ、神田財務官が今年3月に発言した「2週間で、ドル円で4%はなだらかなものとは到底言えない」と言った水準に照らすと、2週間前である6月13日の終値は157円02銭なので、4%の円安ドル高水準は163円30銭となるため、今の水準では政府・日銀は円買い介入には動けないとみる。
今晩の海外時間も円安ドル高の流れは継続と考える。上値メドは161円00銭、下値メドは160円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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